【漢方の世界】カルテ(三)―西洋医学と漢方の違いとは?

【大紀元日本5月18日】今回のカルテの主人公は、ある米国の著名な西洋医だ。この西洋医は、わが子の下痢で悩んでいた。そして、思いつく限りのあらゆる治療を施した。注射に投薬、そして点滴……。だがどれも効果なし。我が子の下痢さえ治すことのできない夫に、妻はもう呆れ顔だ。失意のどん底にいた西洋医は、この時、ふと漢方医の受診を思いつくのだった。

漢方医はこの西洋医と語らう中、あることに気付く。それは、この子の下痢を招いた生活上の原因だった。例えば、夜寝る際、腹部に布団をかけていない。油っこい物や冷たい飲み物を好んで取るなど。そして、これらを改善するよう助言した。すると、この子はついに、頑固な下痢に別れを告げることができたのだった。

著名な西洋医でさえお手上げだった深刻な下痢が、漢方医の簡単な助言で治ってしまうとは皮肉な話だ。しかし、これは大変重要な点を示唆してくれる。つまり、西洋医学では表面の症状を治すことに力を入れる。一方の漢方は、その症状を引き起こした原因に着目し、それにアプローチする。したがって漢方の治療法は多種多様なのである。つまり、同じ下痢とはいえども、個人によって、あるいはその時の原因によって異なる対応をする。これが「漢方治療はオーダーメイド」といわれるゆえんだ。

このほか、番組で触れた「馬丹陽天星十二穴」は、馬丹陽が編集した「馬丹陽天星十二穴主治雑病歌」を指す。この馬丹陽は、全真教の道士であり、武術、医学にも精通していた。ここで最初に出て来る「足三里」は、胃腸の不調に対し最適のツボだといわれる。

※詳しくは新唐人テレビ局の『漢方の世界』でご覧下さい。

(編集・河合)