自宅監禁中の女性チベット人作家、米国から勇気賞受賞

2013年03月07日 12時05分
【大紀元日本3月7日】中国当局によるチベット人への弾圧・迫害の状況を伝え続ける女性チべット人作家がこのたび、勇敢な行動を社会に示した女性に対して米国務省が贈る「国際女性勇気賞(International Women of Courage Award)」を受賞した。しかし、両会会期中のため自宅軟禁に遭っており、「賞を受け取ることが出来ない」とチベット語メディアの問いに答えている。

 同賞を受賞したのは北京在住のツェリン・オーセル氏。海外メディアや自身のブログ、ツイッタ―などを通じて、中国当局による情報規制や行動抑制を強いられるチベット人の代わりに国際社会に対して現地状況や声を伝え続けている。

 米国務省は、オーセル氏の受賞理由について「中国大陸内の活動家の中でも最も突出した存在。公に、中国におけるチベット人の人権状況を伝えている」とし、同氏のブログ『隠されたチベットhttp://woeser.middle-way.net/』を「中国政府の影響で情報が抑制され、外界へ自己を表現することを妨げられた数百万ものチベット人の声」を伝達するものと表現した。

 チベット語メディアPhayulに、オーセル氏は米国に対して謝意を示した。しかし、「残念ながら賞を受け取ることが出来ない。私は自宅軟禁に遭っているから」と答えた。そして「この賞を(自殺した)100人に捧げる」と述べた。2009年以降、107人ものチベット人が中国当局による弾圧への抗議とダライ・ラマ14世の帰還を求めて焼身自殺を図り、死亡した。

 「中国の夢にチベットの場所はない」

 米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)中国語放送は、受賞が決まったオーセル氏の、習近平共産党総書記のチベット政策についての見解を5日の放送で伝えている。

 オーセル氏は、チベット政策が強硬ではないことを一定評価するが、状況が好転するとの見方はない。「習氏が20代前半の頃、当時中央委員だった父・習仲勲氏とダライ・ラマ14世は会っている。その人柄は温かく友好的だったと伝えられている」。ただ、「言葉ではなくその行動を見よ」と警告する。

 「習氏の掲げた『民族の復興』『中国の夢』だが、何を意味するのか? 尖閣諸島(中国名:魚釣島)の領有権を巡って1月28日、習氏が『国家の核心的利益は犠牲にしない』と断言した。国が振興・発展を遂げようとする中、中央は老練な帝国主義に固まっている。小さな領土の占有を最優先事項に置いている」

 「現状では独立を望む声も高まっているが、チベットの夢は他でもなく、中立と高度な自治である。しかし、中国共産党は未だにこの中立を事実上の独立と捉えている。これは、共産党が核心的利益と位置づけている領土や主権と衝突することになる。こうしてチベットの夢は潰されてしまう。つまり『中国の夢』にチベットは入っていない」

 中国当局は同氏の受賞に関してコメントを発表していない。国際女性勇気賞の授与式は、国際女性デーの8日に米国務省で開催され、ミシェル・オバマ夫人も参加する予定。

(翻訳編集・佐渡 道世)


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