【漢方の世界】 カルテ(十六)―中国古代のワクチン

【大紀元日本10月26日】「風邪を治す薬を開発したら、ノーベル賞ものだ」。時折こんな言葉を耳にする。病院や町のドラッグストアにたくさんの風邪薬が売られているが、効果はないのだろうか。薬は確かに熱を下げたり、咳や腹痛を抑えたりする働きがある。しかし、これらは「風邪の症状」を治しただけで、風邪そのものを退治したわけではない。

現代医学はこれほど発達したのに、風邪ひとつ治せないのだろうか。いや、風邪と侮って(あなどって)はいけない。風邪は細菌やウィルスが招く病気だが、抗生物質でウィルスを撃退することはできないのだ。ウィルスが招く病気は厄介なのである。

ウィルスに対処する有効な方法として、ワクチンがある。ワクチンは、1879年のコレラワクチンが最初だとされている。しかし、漢方では千数百年も前にワクチンが開発されていたのだという。

胡先生によると、中国・東晋の時代を生きた道教の思想家、葛洪(かっこう)は、狂犬病にかかった犬の脳みそを人に塗ることで、狂犬病を予防したという。すなわち、およそ1700年も昔に、ワクチンに相当する物が用いられていたのだ。もちろん、人々はこれをワクチンとは呼ばなかったが、このおかげで感染病の流行を防げたのであろう。

ちなみに、世界最古のワクチンは、天然痘の種痘だという。これは、紀元前200年より以前に、中国あるいはインドで始まった。

現代医学の発展と共に、徐々に葬り去られてしまった漢方の真髄。だが、やはり数千年の歴史を重ねてきただけのことはある。そこには、我々人類にとって宝ともいうべき様々な秘法や逸話があふれている。

詳しくは新唐人テレビ局の『漢方の世界』でご覧下さい。

(翻訳・河合)