春の温病とその予防対策

2013年04月30日 07時00分
【大紀元日本4月30日】漢方医学では、発熱を主症状とした急性疾患を「温病」(おんびょう)と呼び、春に発生する温病を「春温」(しゅんおん)或いは「風温」(ふうおん)と呼ぶ。温病は、現代医学の感染症に似た特徴があり、感染性や流行性をもつものが多い。強い感染性と流行性があって、致死率が高い温病を「温疫」(おんえき)と呼ぶ。

 春温の特徴

 春温は名前の通り、春の時期に発生した発熱を主症状とした急性疾患である。その病因を「温邪」(おんじゃ)という。

 春温の温邪は口と鼻から体内に入り、まず肺(呼吸器)を侵す。症状の特徴としては、高熱を出し、咽喉痛や口渇、咳などの症状が伴う。病状が進展すれば、心包や心を侵し、意識障害などの症状が起きて重篤になる。

 春温の中に、温邪に侵されてから間もなく発症するパターンもあれば、冬に寒邪に侵された後春になってから発症するパターンもある。温邪に侵されてすぐに発症するパターンは「風温」といい、冬に寒邪に侵されて春になって発症するパターンは「春温」、或いは「伏気温病」(ふくきうんびょう)という。一般的に春温は風温より症状が強く、重症になりやすい。

 春温の予防

 漢方医学の古典に「冬に精(せい)を蔵しなければ、春に温病になりやすい」という記述がある。つまり、「精」を蓄えることは温病の予防に非常に重要なことである。

 なぜ「精」を蔵したら温病の予防につながるのだろうか。漢方医学の理論では、精は生命活動を支える最も重要な精微物質とされている。精は腎に蓄えられた「腎気」や「元気」を生成するための原材料であり、人体の生殖機能、防御機能(免疫機能)、血液の生成、脳脊髄の栄養、老化現象などに広く関わっている。精の蓄えが不足すれば、元気を生成する材料が足りず、防御機能(免疫機能)の低下につながってくる。

 故に秋にしっかり栄養を摂り、精の生成を促して、冬に活動を控えて精を無駄に消耗せず、更に寒の邪気に侵されないように気を付ければ、春の温病に罹りにくくなる。

 その他に、外からの邪気侵入を防ぐ役を果たしている「衛気」(えいき)の働きを補助するために、春には少し早めに起きて自然いっぱいのところで散歩をしたり、身体を伸ばしたりする運動を行い、温性の春野菜、例えばショウガ、ネギ、ニンニクの苗、ニラ、タデ、ヨモギ、カラシナなどを適量に摂取するのも効果的である。食事はあっさりしたものを選び、生のものや冷たいものを控えれば、より一層予防効果が増すだろう。

 (雪珍)


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