オンデマンド殺人 中国の「死刑囚」臓器奪取の実態(三)

2013年04月02日 11時45分
    (仮想臓器移植のイラスト)

【大紀元日本4月2日】ドイツの有力週刊紙ディー・ツァイトは3月7日、Martina Keller氏の署名記事「オンデマンド殺人」を掲載した。中国の刑務所や労働教養所で行われている臓器取引の実態を暴き、欧米社会もこの取引に加担していることを明らかにした。今回は抄訳の三回目。

 死刑囚に限らない

 カナダのデービッド・マタス弁護士とデービッド・キルガー元検察官の努力がなければ、我々はこれをホラー小説と勘違いするだろう。2010年のノーベル平和賞にノミネートされた二人は、2006年からある調査を始めていた。

 この調査は、中国の臓器奪取は死刑囚に限らないことを明らかにした。労働教養所やそれに似た思想改造所に収容されている人もその対象だという。二人の報告は、(当局が弾圧している)法輪功の学習者が、死刑判決ではないものの、移植を待つ患者と臓器が適合することで処刑されることが起きていると立証した。

 これは本当のことだろうか。二人の証拠には、法輪功学習者が拘束中に細部にわたる健康診断を受けた後に失踪し、その後、見つかった遺体には臓器が欠けていることや、中国で腎臓や肝臓移植を受けた外国人患者からの証言、さらに法輪功学習者から実際に臓器を摘出した当事者からの証言などが含まれ、客観性に富んでいる。二人が率いるチームの調査員はさらに、患者や患者親族を装って中国の移植センターに電話でドナーについて問い合わせた。2006年3月、Shtiglitsさんが心臓移植を受けた4ヶ月後、調査員が同中山病院に掛けた一本の電話に、病院側は「我々の所で使うのは全部彼ら(法輪功学習者)の臓器」と、法輪功学習者の臓器が利用できるかとの質問に答えた。中国では犯罪者の多くはB型肝炎を罹っているため、健康な法輪功学習者の臓器が「人気」だ。

 二人の調査について、ウィーン大学国際法教授で2010年までの国連拷問特別調査官のマンフレッド・ノワク氏は「調査が行き届き、重大な意味を持つ」と評価した。中国の移植手術件数が上昇する時期は法輪功学習者が残虐な迫害を受ける時期と重なる。ノワク教授は国連の名義で中国政府に「緊急要請」を出し、移植に使われたすべての臓器の出処を報告するよう求めた。中国政府はこの疑惑について高飛車に反発したものの、根拠を持って反論することは一度もなかったと教授は指摘した。

 二人の報告書は昨秋、米国議会公聴会で審議され、議席の4分の1に当たる(106名)下院議員が連名で当時のクリントン国務長官に書簡を送り、米政府が所有する囚人対象の臓器狩りの資料公開を求めた。

 昨年7月、ベルリンで第24回国際移植学会が開かれた。会場となったICCベルリンの入り口に法輪功のブースがあり、華奢なアジア人女性がビラを配布していた。彼女の名前は劉葦(音訳)。同じくビラにかかわったことで2001年9月に大変な事態になったと彼女は言う。法輪功のビラを隠し持っていたことで当時逮捕され、16ヶ月監禁された。その間、殴打や睡眠剥奪による虐待を受けたという。現在40歳の劉さんは逮捕当時、北京にあるドイツ政府の開発援助組織GTZで働いていた。

 「ある日、10人前後の警察と同じ数の医師が刑務所にやってきた」。劉さんやほかの法輪功学習者のみを対象とする健康診断が行われた。検査項目は血液検査と体内臓器に対する超音波検査。家族性疾患の有無も聞かされた。このような検査は5、6回行われたが、結果を知らされたことはなかったという。

 迫害に耐えられず、劉さんは政府に屈服したように装った。「自分が死んだように感じた」と劉さんは振り返る。「しかし若かった私は生き延びたかった」

 2003年1月に劉さんは釈放され、GTZに戻った。一年後、彼女はドイツに移住。「ラッキーだった。監禁中、誰も私の臓器を必要としなかったようだ」

 劉さんがビラを配布している間、会場内では座長を勤めるベルリンシャリテ(Charite)大学病院のPeter Neuhaus医学博士が開会挨拶をしていた。博士は160人となる中国の同業者の参加に対し、喜びの意を口にした。記者会見で中国の死刑囚への臓器奪取について意見を求められた際、博士は「このことは間違いなく、存在していた」と答える一方、中国の衛生部副部長は2、3年前にすでに、このことはもう起きていないと自身に保証したという。

 中国政府は確かにたくさんのことに気を配っている。北京の韓氷・弁護士の書き込み(連載一回目)を完全削除することも。

 (終わり)

(翻訳編集・張凛音)


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