米国がベトナムに沿岸警備艇1隻を供与、南シナ海で警備能力強化

2019/11/21
更新: 2019/11/21

[ハノイ 20日 ロイター] – 米国は20日、ベトナムに沿岸警備艇1隻を供与すると発表した。南シナ海の領有権を巡って中国との間で緊張が高まるなか、ベトナムの海洋警備能力を強化する狙い。

ベトナムを訪問中のエスパー米国防長官が、ベトナム外交大学での演説で明らかにした。

演説の中で同長官は中国を名指しし、ベトナムなどの近隣諸国を「脅している」と非難。「中国の一方的で違法な領有権の主張は、重要な海洋資源への他の国々のアクセスを脅かし、地域のエネルギー市場の安定を損ない、紛争のリスクを高めている」と指摘した。

米国は2年前にもベトナムに沿岸警備艇を供与しており、今回で2隻目となる。海洋警備能力を強化したベトナムが領有権を主張し、中国をけん制することを期待している。

中国は南シナ海の約9割の領有権を主張しているが、ブルネイ、マレーシア、フィリピン、台湾、ベトナムも部分的に領有権を主張している。

エスパー国防長官はこれより先、ベトナムの防衛省で演説し、「われわれは共同で抑圧と脅しに立ち向かい、大小にかかわらず全ての国の権利を守らなくてはならない」と述べた。

米国はかねてから、中国が南シナ海を軍事拠点化し、資源開発の機会をうかがう近隣諸国を脅そうとしていると非難している。

Reuters
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