【ぶらり散歩道】ー大阪篇ー 緒方洪庵の適塾

2013年06月20日 07時00分
【大紀元日本6月20日】地下鉄御堂筋線淀屋橋駅で降りて歩いて約5分、近代的なビルに囲まれた緒方洪庵(号・適々斎)の適塾前に着いた。1945年(昭20)の大空襲にも奇跡的に焼失を免れた建物の隣には、大阪で最も早く開設された愛珠幼稚園がある。適塾の東西には緑地公園が設けられ、西側の緑地には、本を手にした洪庵の像がある。昼時になると、男女会社員の憩いの場になって賑やかになる光景は、雀のさえずりと共に何時見ても楽しい。

 洪庵(1810年=文化7~1863年=文久6)は備中足守(現・岡山市足守)に生まれ、長崎での蘭学修行などを経て1838年(天保9)に大阪・船場に蘭学の私塾・適塾(適々斎塾)を開いた。その7年後の1845年(弘化2)に、現在の場所にある商家を購入して適塾を発展させた。

 適塾における教育の中心は蘭書の会読で、塾生は予習に使う1冊しかなかったヅーフ辞書(蘭和辞書)を奪い合って勉強したと言われている。これらの塾生の中から、明治維新で活躍した大村益次郎(4代目塾頭)、橋本左内ら、慶応義塾を創立した福沢諭吉(10代目塾頭)、内務省初代衛生局長の長与専斎(11代目塾頭)、日本赤十字社の祖・佐野常民らを輩出している。

 広い玄関土間、玄関座敷はいかにも商家らしい佇まいだった。中庭はよく手入れが行き届いて気持ちが良い。2階に上がる階段は恐ろしいほど急こう配で、気をつけていたが、頭をぶつけてしまった。2階の書生部屋には、みんなが奪い合ったと言われるヅーフ辞書がガラスケースの中に陳列されていた。書生部屋の天井は剥き出しで、太い梁が時代を物語っていた。

 適塾は現在、大阪大学が管理運営している。ここに紹介した写真は、大阪大学の許可のもとに撮影したもの。

 適塾 大阪市中央区北浜3丁目3-8 電話:06-6231-1970

 開館時間:10:00~16:00 

 休館日:毎週日、月曜日、祝日、年末年始(12/28~1/4)

木彫の洪庵像も読書をしている

2階の天井は剥き出し

陳列ケース中央にヅーフ辞書が見える

家族部屋

中庭に面した客座敷

洪庵の書斎

読書をする緒方洪庵の像

(八木国夫)
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