【医学古今】 左側の病気に右側のツボで治療

2013年07月02日 07時00分

【大紀元日本7月2日】体の右側の症状を治療するために左側のツボ、左側の症状を治療するために、右側のツボを使う場合がよくあります。漢方医学の古典『黄帝内経』の中で、このような取穴法を「巨刺」(こし)あるいは「繆刺」(びゅうし)と呼びます。

 「巨刺」と「繆刺」は同じように左右交叉の取穴法ですが、「巨刺」は邪気が経脈の中にある時に、「繆刺」は邪気が絡脈の中にある時に使います。一般的に、邪気はまず皮膚に侵入し、それから次第に孫脈、絡脈、経脈、六腑、五臓の順番に深く侵入しますから、邪気が絡脈、或いは経脈の段階に留まれば、絡脈や経脈の特有の症状が現れるので、その時、「繆刺」か「巨刺」の取穴法で治療します。

 『黄帝内経』の「繆刺論」に以下の例が記載されています。邪気が足少陰の絡脈に侵入し、心痛、胸満などの症状を起こしたら、足少陰腎経の然谷(ねんこく、内側の踝の下方)というツボを取って治療します。その場合に左側に症状があれば、右側のツボを取り、右側に症状があれば、左側のツボを取ります。

 邪気が足厥陰の絡脈に侵入し、鼡径部の痛みが起きれば、足厥陰脈の太衝(たいしょう、足第1指爪根部の外方)というツボを取って治療します。その場合に左側に症状があれば、右側のツボを取り、右側に症状があれば、左側のツボを取ります。

 邪気が足陽明の絡脈に侵入し、鼻水、鼻血、歯痛などの症状が起きれば、足の第2指の爪根部の厲兌(れいだ) というツボを取って治療します。その場合に左側に症状があれば、右側のツボを取り、右側に症状があれば、左側のツボを取ります。

 このような取穴法で治療できる病状はたくさんあります。もし左右ともに症状があれば、両側のツボを同時に取って治療します。

 私は、歯痛、耳鳴り、肩関節痛、股関節痛、手足の関節痛などにこの方法で治療し非常に良い効果が得られました。患者さんに「なぜ左側が痛いのに右側のツボに刺すのですか」と聞かれる場合は、この「巨刺」と「繆刺」の理論を説明します。治療後に症状が軽減すれば、不思議な顔をされながらも納得されます。
 

 (漢方医師:甄 立学)

 

 

 

関連キーワード
^