【日本語に生きる中国故事成語】「紅一点」はザクロの花

2013年07月17日 07時00分
【大紀元日本7月17日】

 「紅一点の笹本玲奈、ジャンヌ・ダルクに」(朝日新聞デジタル2013年7月11日)

 9月に世田谷パブリックシアターで「ジャンヌ・ダルク」が上演されることになったそうだ。日本で上演されるのは44年ぶりで、主演はミュージカルで活躍する笹本玲奈。実力派の個性豊かな男優たちに混じっての「紅一点」だという。

 「紅一点」ということばは、北宋の政治家で詩人の王安石作「咏石榴詩(ザクロを詠ずる詩)」に由来すると言われる。

 万緑叢中紅一点(一面の緑の中にただ一つ紅い花が咲いている)
 動人春色不須多(人を感動させる春景色はなにも量が多い必要はない)

 この詩に言う「紅一点(一輪の紅い花)」とはザクロの花のことらしい。木々も草むらも緑一色の中、ザクロの木が艶やかな紅色の花を一輪つけている。紅色は緑に映える。しかも、一輪だけだから一際目立つ。

 そこから、日本では明治以降、たくさんあるものの中で一つだけ異彩を放つものを指して「紅一点」と言うようになったと言われる。

 「殊に目に立つ紅一点は金釦鈕(きんぼたん)の制服」(内田魯庵 ・社会百面相)

 そして、現代では対象とするものがさらに限定され、多くの場合、冒頭の例のように男性の中に混じる唯一の女性を指して「紅一点」と称する。

 ところで、残存する「咏石榴詩」は上の二句だけで、果たして王安石の作かどうかは不明だとも言われている。

 (瀬戸)


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