検閲のないラジオ放送、当局の圧力により封鎖の危機

2013年07月05日 17時50分
【大紀元日本7月5日】中国当局の検閲を受けずに中国国内ニュースや人権情報を世界に発信していたラジオ放送「希望の声」は、発信源である短波ラジオ塔の取り壊し計画により受信が出来なくなる可能性が出てきた。米国に渡る以前、自宅軟禁中の盲目の人権弁護士・陳光誠氏も情報を得ていたというこのラジオ放送は、共産党の圧力により封鎖の危機にさらされている。

 「希望の声」(本部:米国ワシントン)は1日、同社が放送に利用していた台湾の短波ラジオ塔施設が撤去計画に遭っているとの文章を発表した。同局社長のアレン・ゼン氏は約2カ月間、台湾の中央放送局が運営する台湾国際放送(RTI)と話し合いを続けてきたが、「中国当局が大陸向け短波放送を止めさせるため巨大な圧力を台湾に掛けている」ため、撤去計画の停止は困難になっているという。

 なお、取り壊しに反対する3人の米国議会委員の声明を馬英九総統宛て手紙に託して送っていたが、希望の声に近い情報筋によると、総統は「論争のことを知らない」。3人は手紙で、無検閲のニュースを発信するのに短波ラジオは必要だと訴えていた。

 短波ラジオ塔の取り壊しはすでに進んでいる。「希望の声」が放送に利用していた台南のラジオ塔施設は6月下旬に撤去された。同じく、云林県虎尾の短波ラジオ塔施設も今年後半に撤去が予定されており、今年中に両施設は完全に取り壊されるという。

 同社の発表によると、2つのラジオ塔施設で少なくとも28の放送を流すことができ、その伝達力は中国全土をカバーすることが出来たという。「共産党はラジオの存在をとても恐れており、取り壊したがっている」と社長は同文章で主張している。

 「希望の声」は9年間の放送電波レンタル契約をRTIと結び、毎晩4~5時間の放送を世界及び中国国内へ流していた。

 台湾の民進党政権は、台南のラジオ塔を2004年に、虎尾の施設を2011年に取り壊すことを議会で可決していた。RTIによれば、利益のない短波での中国大陸向け放送をするよりも、中波を利用した台湾国内の個人放送に需要があると見なし、経費削減のために短波ラジオ塔を撤去するという。また民進党の台南地区代表者は、施設の早い撤去が周辺地域の発展を促すと主張している。取り壊された台南の施設の一部では河川整理と洪水防止計画が進められている。

 2つの短波ラジオ塔は米軍の援助と資金提供でそれぞれ60~70年代に建てられた。当時、ラジオ放送は、中国大陸の民主主義化を促す重要な役割と位置づけられていた。

 3人の米国議会議員の手紙

 「たとえ(短波ラジオ塔)施設の取り壊しが計画されたとしても、他の代用施設に移るまで中止されなければならない」と米国のベテラン下院議員、フランク・ウルフ氏は手紙で馬総統に訴えた。またダナ・ローラバッカー下院議員は「他の選択肢が見つかるまで、中国向けの放送機能が減らされることは止めるべきだ」とし、クリストファー・スミス下院議員は「取り壊し計画は、これらが建設された目的を失うものだ」とそれぞれ総統への手紙の中で述べた。

 3人の手紙について、2日、米国ワシントン駐在中華民国事務局は「『希望の声』の主張は事実と異なる」との声明を発表した。同事務局は「3人の米議員の手紙は適切に取り扱い、関連政府機関に伝達した」とし、6月21日には事務局長が同社幹部らと面談し、同日、台湾外務省に内容を報告していると主張した。だが、声明の責任所在について、事務局代表は答えられず、質問事項への回答も出し渋っていたという。

(翻訳編集・佐渡 道世)


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