英製薬大手、中国で贈賄か 中国当局、外国企業の取り締まりに躍起

2013年07月17日 15時50分
英製薬大手グラクソ・スミスクライン中国支社(AFP)

【大紀元日本7月17日】中国公安当局は15日、英製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)が医師や政府関係者などに賄賂を贈り、不法に価格をつり上げていたと発表した。今月に入ってから、中国当局は外国企業への取り締まりを強化しており、すでにネスレやダノン、テトラパックなどがそのターゲットになっている。

 中国公安当局の発表によると、グラクソ社は2007年以来、30億元(486億円)を700余りの旅行代理店や企業に送金していたことを突き止めた。同社の営業担当者が処方の見返りとして、現金やツアー券などを含む賄賂を医師や政府関係者に渡していたという。

 一方、当局の発表を受け、「グラクソ社の手法は中国医薬品業界に普遍的に存在するグレーゾンだ」と指摘する声が大勢。河北省の有力紙・燕趙晩報が16日に発表した評論では、「医薬品業界の賄賂は、国家レベルの医療機関から農村のクリニックまで存在し、クリーンな所はほとんどない。(賄賂を)拒否し、暗黙のルールを暴く『極少数』の医師はこの業界では居場所をなくすほどだ」と賄賂が業界で一般的である現状を認めた。

 賄賂がはびこるなか、多くの外国企業は「郷に入っては郷に従う」ことにしている。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、中国市場で競争力を高めるために、外国企業も競争相手となる本土の企業を見習い、マージンや無料・割引ツアーなどを医師や政府関係者に提供し、販売ルートを確保していたという。中国の財新誌は、海外の「優等生」が中国に来ると「問題児」になるのは、「現実では、賄賂を渡さなければ市場を手に入れることはできない。政府や病院、医師の支持を得ることができないからだ」という見解を示した。

 「医師や政府関係者に賄賂を渡すことを正当化する意思はまったくない」。ウォール・ストリート・ジャーナルはこう言い切る一方、「中国当局はもっと強硬な態度で自身の足元を固めるべきだ」と指摘した。

 中国国家発展改革委員会は3日、製薬会社60社を対象に、コストと価格設定の調査に乗り出すことを発表している。60社のなか、日本のアステラス、米メルク、渦中のグラクソ・スミスクラインなど外資系6社が含まれる。

 製薬業界以外にも、同委員会は今月に入ってから、粉ミルクなどの海外メーカー数社に対して独占禁止調査を始めている。ダノンやネスレも対象となっており、両社とも8日からの製品価格の値下げに追い込まれている。さらに、スイスの食品包装大手テトラパック社に対しても同じ時期に、独占禁止法に違反した疑惑で調査が開始されている。

 米ニュース専門チャンネルCNBCは12日、一連の外国企業への取り締まりは「決して偶然ではない」とし、中国国内の経済成長が鈍化しているなか、国民の業界への不満を「よっぽどクリーンな外国企業」に集中させるために取った策であると分析した。

 米在住の中国経済専門家の章家敦氏は、グラクソ社の賄賂疑惑を発表した中国当局は「虚偽的だ」と批判。「中国全体の取引環境が腐敗しており、数十年間、賄賂がそこで横行していた」。ただ、粉ミルクや医薬品業界などにおいて、「外国企業は、はるかに信頼されている」ため、当局はこれらの外国企業にメスを入れたと章氏はみている。

(翻訳編集・張凛音)


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