薄熙来裁判 シナリオ通りも「反撃の隙を与えた」 上訴では仲間を売るか

2013年09月25日 13時20分
【大紀元日本9月25日】22日、収賄、横領、職権乱用の罪で無期懲役の判決を受けた元重慶市トップの薄熙来被告(64)。中国問題の専門家らは、その判決の裏を分析し、習近平政権と江沢民一派の政治闘争の行方を予測した。

 裁判では、薄被告が約2千万元(約3億2千万円)の賄賂を受け取ったほか、500万元(約8千万円)を横領、妻による英国人毒殺事件を隠蔽しようとするなど職権の乱用の罪状が確定し、無期懲役、政治権利の終身剥奪、財産の没収という判決を言い渡された。

 米国在住の中国問題専門家で大紀元コラムニストの夏小強氏は「この判決から2つのことが読み取れる」とし、次のように解説した。

 政権を守るため綿密に計画された裁判

 薄熙来事件は経済犯罪というよりも、政治の裁判と称するべき。政権の安定を守るため、習政権は薄被告の2大罪状、(法輪功学習者に対する)臓器収奪と政変計画を公にしておらず、単なる経済犯罪として裁いた。また、政権へのダメージを避けるため、その不正金額も実額よりはるかに少ない2500万元にした。最終的には、「重い量刑」といわれている無期懲役の判決は、薄被告を政治の舞台から永久追放できると同時に、その裏幕である江一派に強硬な姿勢を示した。習政権が描いたシナリオ通りの運びだ。

 薄被告と江一派に反撃の隙を与えてしまった

 薄被告の2大罪状を公表せず、最後のとどめを刺していないため、左派や一部の国民の間では、薄被告に対し同情的な見方が依然として存在し、薄被告自身も再起を諦めていない。

 その裏づけの一つは、判決の2日前、インターネットで出回っていた獄中の薄被告が書いたとされる家族宛の手紙。薄被告は文中で経済犯罪の容疑を否認し、数回投獄されながらも後に政権に返り咲いた父親・薄一波(故人)のことに触れ、「私は獄中で静かに待つ」「私は父を手本にしたい」と再起への意をほのめかした。

 ロイター通信も情報筋の話として、党内の一部の古参は薄被告の捲土重来を警戒していると報じ、ある検察官は、「薄被告には絶対に婦人の仁をみせてはならない」と憂慮をあらわにしたという。

 習政権と江一派の政治闘争の行方 

 薄事件の裁判が始まる直前、習政権は江一派の重鎮・周永康氏(中央政法委の前トップ、元中央政治局常務委員)への包囲網を張り始めたとみられる。香港メディアは相次ぎ内部有力情報として、周氏の息子やその側近の軟禁や取り調べを報道してきた。

 夏氏は「これからの双方の戦いは、周氏を中心に展開していくはず。未来の情勢の変化からは一刻も目が離せない。習氏は素早く周氏を治めるであろう」と述べた。

 一方、AFP通信や、ロイター通信によると、薄被告は無期懲役判決の翌日、上訴する意向を示した。

 「上訴しても一審判決を覆せない」という見方が大筋だが、大紀元コラムニストの章天亮氏は異なる見解を持っている。「自分ひとりが罰せられて怒り心頭の薄被告は藁をも掴む思いで、習と政治取引を行う可能性が高い。仲間である周や曾慶紅にとって不利な情報を習に流し、減刑を要求するであろう。一方、江一派の重鎮である2人にとどめを刺し、完全に政権から排除したい習は、見返りとして薄被告の要求に応じかねない」「薄被告の無期懲役は周をますます不利な状況に追い込んだ」と章氏はみている。

(翻訳編集・叶子)


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