政府、愛知・岐阜などまん延措置移行を検討 週末前後にも=関係筋

2021/02/08
更新: 2021/02/08

[東京 8日 ロイター] – 政府は緊急事態宣言を発令している10都府県のうち、新型コロナウイルスの新規感染者数が減少している愛知県と岐阜県について、3月7日の期日を待たずに解除する検討に入った。13日に施行される改正特措法に新たに盛り込まれた「まん延防止等重点措置」の対象をすることで、飲食店の営業時間短縮は引き続き要請する。正式決定日として今週末前後の日程が議論されており、最新の感染動向を踏まえ詰める。

大阪府など他の府県についても、最新の感染・病床の状況を踏まえまん延措置への移行を議論する可能性がある。

複数の関係者が8日までに明らかにした。

政府は昨年末の感染急拡大を背景に、東京都などの知事らの要請を受けて1月7日に11都府県を対象に緊急事態宣言を発令した。当初は2月7日までの措置だったが、感染拡大が止まらず、栃木県を除く10都府県は3月7日まで期間が延長された。

一方、都道府県知事の権限強化などを狙い今通常国会で成立した改正インフルエンザ等特措法では、緊急事態宣言発令を予防するため、前段階として「まん延防止等重点措置」との新たな枠組みを導入した。西村康稔経済再生相は国会で、緊急事態宣言を解除した地域でも、感染再拡大を抑制するため「まん延防止等重点措置」の対象になり得ると繰り返し答弁している。

愛知県庁によると、大村秀章知事は8日の会見で「新たな感染者の数は着実に減少している。1カ月を待たずにできるだけ早く宣言解除という形に持っていきたい」と指摘。一方、飲食店を対象にしている営業時間短縮などの要請については「段階的に規制を緩めていくことになると思う」と述べた。岐阜県庁は「国と連携していくが、決めるのは国」(県庁関係者)としている。

NHKによると、大阪府の吉村洋文知事は8日、緊急事態宣言について、大阪府独自の解除要請基準によれば同日達成する見込みとなったことを明らかにし、兵庫、京都の両府県と足並みをそろえ国に解除要請をするか判断する意向を示した。

緊急事態宣言が、感染の深刻度合いが4段階のうち最も深刻な「ステージ4」の地域を対象とするのに対して、まん延防止措置は「ステージ3」地域が対象。

緊急事態宣言同様に、まん延防止措置でも知事は飲食店などに時間短縮を命令することができ、応じない場合は過料が課せられる。過料は緊急事態宣言下で30万円以下、まん延措置で20万円以下となっている。

*主な指標

病床使用率 療養者数 陽性率 新規感染者数 

最近1週間 最近1週間(10万人当たり)

ステージ3 20% 15人 10% 15人

ステージ4 50% 25人 10% 25人

(竹本能文)

Reuters
関連特集: 国際