三中全会、11月9日から 社会のひずみ、力ずくで抑えこむか

2013年10月30日 15時55分
【大紀元日本10月30日】天安門広場の黒煙が消えさらぬなか、中国共産党が5年に1度、経済・政治分野の改革を話し合う第18期中央委員会第3回全体会議(三中全会)の開催が11月9-12日に決まった。会期に合わせ、力ずくで薄煕来事件を「解決」し、新快報の記者拘束で広まった波紋も強引に収束させたが、天安門に掲げる毛沢東像に向かって車が突進・炎上した事件は、_deng_小平時代以来と期待される今回の三中全会に不穏な空気を漂わせた。

 習近平国家主席は23日、国内経済界の専門家と会見した際、18期三中全回では、改革・発展・安定の三者のバランスを取りながら、大きな「政治的勇気と知恵」で、「思想をより解放し、生産力を発展させる」とのビジョンを語った。また、政治や文化、社会、環境・生態保護など各領域における改革を促進させ、「発展過程での難題を解決するよう努力する」と強調した。

 だが、3月に始まった習近平・李克強政権に一向に「思想を解放」する兆しが見えず、難題解決する「努力」も力任せで、社会のひずみに対し解消するよりも抑えこむことに力を入れている。今回の天安門前の車炎上事件はその反動ともみられる。新疆ウイグル自治区出身のウイグル人によるものとの公算が大きいこの事件は、暴力が暴力を呼ぶ連鎖で起きた構えだ。同自治区で6月末からの2ヶ月間、ネット上で「安定を脅かす虚偽情報」を流した256人、ジハード(聖戦)など「極端な宗教思想」を伝えた139人が身柄を拘束されるなど、取り締まりが強化されていた。今回、車に乗っていた3人のうち1人は6月に起きた大規模衝突で当局に射殺された人の遺族だとも伝えられている(香港「中国人権民主化運動情報センター」)

 ウイグル人と北京との対立は、当局の圧政によるものだと主張する経済学者、中央民族大学(北京)のイリハム・トフティ氏は一方で、今回の事件は「証拠が示される前にウイグル人による行為、ましてやテロ行為と決めつけるのは、1千万のウングル人の境遇をさらに悪化させるもの」(フランスRFIラジオ)と当局の情報操作を警戒した。

 トフティ氏を懸念させる理由は最近の中国政情にある。当局の情報操作は頻度も程度も増したからだ。政府系企業の不正疑惑を報じ記者が拘束された「新快報」が、紙面で記者の釈放を求めた直後、同記者が中央テレビ(CCTV)で、自身による虚偽報道であると認める形で事件が収束。だが、情報源とされる「第三者」が明らかにされていないことや、拘留中にもかかわらずCCTVが取材し全国放送したこと、同記者の首に血痕が残っていることなど、事件が操作された痕跡が多い。拷問で自白を強要し、「完落ち」した様子を放送することで、政府に楯突く結末を見せしめる効果を狙うという筋書きが見え隠れする。

 この手法は毛沢東時代に遡ることができる。1950年代の反右派闘争でも、多くの著名な知識人が人民日報で「人民に罪を認める」「人民に投降」と題する文章を「発表」。最近では、この伝統が受け継がれ、「先祖返り」する向きがある。政府批判を行い、1200万以上のフォロワーをもつ中国国内ネットで有名な投資家の薛蛮子氏も8月、買春容疑をCCTVで「公開謝罪」していた。

 先祖返りの元祖とも言える薄煕来・受刑者も、この公開自白に掛けられていたが土壇場で「約束」を破った。情報操作する側にいた薄受刑者は、この「操作された透明性」を熟知している。彼と同サイドにいる人たちには、彼の末端の罪を裁けるにしても、企業家や活動家、法輪功学習者らに加えた迫害や、政変を企んだことなどの闇を透明化する勇気は、到底ないことも、薄受刑者は知っていたであろう。

(張凛音)


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