飢えを恐れ、家を嫌う子供たち=中国児童労働問題

2014年01月14日 15時36分
【大紀元日本1月14日】経済発展や軍事力増強ばかりがメディアに取り上げられる昨今の中国だが、暗部にはまだまだスポットが当てられていない。児童労働問題はその一つだ。昨年12月、深セン市宝安の電子機器生産工場で10代前半の児童を含む139人が働いていることが明らかになった。児童は毎日12時間労働、月給2000元(約3万4400円)で雇用されていたという。

 このたび問題が報じられたのは、充電器や磁気性部品を生産する可立克科技公司。中国の労働法で定められた就業年齢は16歳。児童のほとんどが女児で、中国で貧困率の高い四川省涼山出身だという。

 中国紙・南方都市報の記者が潜入取材を行い、同社では毎年11月に児童が労働力として雇用されるという。当局による立入検査がある日には会社幹部が女児たちを宿舎に戻し、児童労働を隠蔽していたという。児童たちは12歳ごろに工場へ送られ、数年働く。経験を積んだ児童は危険を伴う溶接作業のはんだ付けも行っていた。

 貧しい家を嫌う子ども

 報道の後、児童労働の疑いで当局が調査を行い、139人の児童のうち41人の12~13歳の児童が四川省へ帰郷した。一見、児童たちは「救出」されたかように見えたが、真の問題点が子どもの口から話された。自宅に戻ったある女児はほかのメディア関係者に対し、「私は家に帰りたくなかった。工場ならお米と肉を食べられたのに、家にはジャガイモとトウモロコシしかない」と話した。

 自宅で栄養不足と飢餓に苦しむ児童たちにとって、食事が賄われる工場から離れたことは果たして「救出」だったのか、疑問符が打たれる。

 この児童労働問題が報じられた時期に、同じく四川省涼山の貧しい子どもの様子を写した写真がインターネットで注目を浴びた。人民日報が報じたその写真と説明によると、子供たちの栄養摂取は空腹時、ジャガイモを家のカゴから取り出して1、2個食べるだけだという。

 同地区の大部分の家族の収入は年間2000~3000元。少数派の農村地区であるため多くの家族には2、3人の子供がいる。しかしその多くは学校に通う余裕がない。

 また多数の両親は、児童労働として他の省へ出稼ぎに出るほうが学校教育を受けるよりも良い選択であると考えている。貧困から抜け出せない家でジャガイモしか食べられない生活を続けるより、出稼ぎに出て会社が賄ってくれる肉や米の配食のほうが遥かに栄養を摂れる。

 昨年は有名メーカーの製造工場でも児童労働が指摘されている。韓国メーカー「サムスン」は自社中国工場で14歳の女児を雇用していたことが疑われた。また「アイフォーン(iPhone)」や「iPad」の生産を委託するフォックスコン(富士康)も14歳の女児が働いていたことを認めた。

 目覚ましい経済発展にも関わらず、中国は児童問題の深刻化が進んだことも明らかになっている。昨年10月に発表された、世界197カ国を対象に児童労働の実態を調査し、深刻な国から順に並べたランキングによると、中国は昨年の53位から大幅に悪化し、20位に位置づけられた。

 この英調査会社「メープルクロフト」から発表された報告書によると、経済発展が注目される中国やインド、ブラジルは国家による児童労働規制法が守られていない危険性が非常に高いという。中国の製造業界では約10万人の子どもが働いていると推定されている。

(翻訳編集・佐渡 道世)


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