広東省のGDP、中国初の1兆ドルを突破 市民受益せず 専門家「肉薄のGDP」

2014年01月08日 16時30分
【大紀元日本1月8日】広東省2013年の国内総生産(GDP)は昨年比8.5%増の6兆元(約1兆ドル)台に達する見込みで、全国で初めて1兆ドルを突破する省になる。同省発展改革委員会が昨年末に発表した。さらに、一人当たりのGDPも1万ドルを超えるとみられる。しかし、専門家らは先進国と比べ、中国のGDPに占める国民所得の割合がまだ低く、「肉薄状態」であると指摘する。

 世界銀行の基準によると、一人当たりのGDPが1万ドルを超えると、中等先進国に分類される。現在、浙江省、江蘇省、北京市、天津市、上海市、内モンゴル自治区など6の省・市では、一人当たりのGDPはすでに1万ドル前後に上り、「中等先進国レベル」に達した。2013年の各省のGDPはまだ発表されていないが、広東省のほか、山東省、福建省も「先進国レベル」に仲間入りするとみられている。

 これについて、広東省の政府アドバイザーである陳鴻宇氏は「数字的には良かったが、先進国との差はまだ大きい」との見方を示した。広東省のGDPが韓国に迫る勢いだが、2012年の一人当たりのGDPは8931ドルと韓国の22590ドルを大幅下回っている。

 政府シンクタンクの中国社会科学院産業経済と地域経済の専門家である陳耀氏もGDPは市民の生活レベルを反映するものではないとし、市民はGDPの増加から受益していないことを述べた。

 アモイ大学の丁長発副教授(経済学専門)は経済紙・第一財経日報の取材に対し、中国の産業構造は1990年代から大きな変化はなく、GDPに占める国民所得の割合はまだ低いと述べた。先進国ではGDPに占める国民所得の割合が55%あるのに対し、中国の多くの地域では40%前後と低い。特に、内モンゴル自治区の場合、石炭採掘とエネルギー価格の上昇で一人当たりのGDPが1万ドルを超え、全国5位にランクインしたものの、2012年の住民の平均可処分所得は一人当たりのGDPの36%である。さらに、農業と牧畜業を営む住民の純収入は11.8%しかなく、全国からみても低い水準である。

 中央企業や国有企業が投資やエネルギーの消費を通じてGDPを押し上げたが、一般市民はその恩恵を受けられず、「GDPが肉薄状態」と同紙は指摘した。

 投資家で経済評論家の蔡慎坤氏は自身のブログで、「広東省はGDPでアルゼンチンや南アフリカなどを超えている。アルゼンチンは小中と大学の義務教育を実施しており、国民と入国者の医療無償化が実現されている。南アフリカでも高齢者や障害者、子どもに手当を給付し、出産無料化などを行っている。一方、広東省の北西部には国が定める貧困ライン以下の極貧生活を送る地域が存在している。その差は歴然だ」と数字ばかりにとらわれてはいけないとの考えを示した。

(翻訳編集・高遠)


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