【特別報道】昆明事件後の中国政局 紐解く8つのポイント(四)

2014年03月18日 12時03分
【大紀元日本3月18日】先月末に香港紙「明報」の前編集長が襲撃された事件から、今月初めの昆明の無差別殺傷事件。中国の情勢に物々しい雰囲気が漂う。一連の暴力事件は、習近平体制を崩すための江沢民一派の政変の一部分であるという情報を大紀元は入手している。周永康事件の行方のみならず、権力をめぐる中国共産党指導部の闘争や、今後の中国の政局を紐解くには、以下の8つのポイントに注目する必要がある。

 1. 曽慶紅が「明報」に登場 同紙オーナーと江一派との深い関係

 2. 腐敗カードは江一派を滅ぼす切り札にならない

 3. 全人代会期中、習近平が妥協するも江一派をけん制

 4. 曽慶紅が暴力による政変を企む

 5. 習陣営、江一派との即戦即決を迫られる

 6. 曽慶紅が握っているもの

 7. 王岐山が雲南省副省長にメス

 8. 腐敗撲滅計画が調整へ

 6.曽慶紅が握っているもの

 かつて江一派が勢力下に置いていた警察や武装警察、軍部は、法輪功弾圧に加担しているものが多い。酷刑から臓器狩りにおよぶ残忍な弾圧は一旦習近平政権に追及されると、かかわったものすべてが罪に問われることになる。この罪の追及をなんとしても阻止したいのは彼らの思惑だ。そして、曽慶紅が手先として握っているのは、まさにこういった思惑を持った命知らずである。

 中国当局による人権弾圧を独立調査する国際団体「追査国際」によれば、法輪功学習者への臓器狩りは、民間で個別に起きた犯罪ではなく、江沢民、周永康など国家最高指導者らが主導した全国におよぶ国家犯罪である。軍隊や武装警察、民間の臓器移植センターが手を組んで行ったという。

 追査国際の調査のなかで、北京の解放軍307病院移植科の腎臓ドナー責任者・陳強は、法輪功学習者の臓器にかかわる取引を政府・警察・刑務所が連携して行っていると認めた。王立軍がかつていた遼寧省錦州市の警察も法輪功学習者の臓器を提供することは可能だと明言した。天津市や上海市、湖南省、広西省など23の省・市・自治区で法輪功学習者からの臓器狩りの証拠が得られたという。

 カナダ人権弁護士デービッド・マタスと同国元大臣のデービッド・キルガーも2006年から中国の臓器狩りの調査を始めた。それによると、大半が法輪功学習者で、彼らで構成される中国の良心の囚人6万人以上が「驚愕の臓器狩り」で犠牲になったという。2人の活動は今も続いており、ノーベル平和賞にもノミネートされていた。

 法輪功学習者への迫害は臓器狩りのみならず、悪名高い労働教養所などでは拷問が日常的に行われ、さらに政府が統制するすべてのマスコミでは誹謗中傷の情報が高密度で流されている。

 昨年末、党中央の調査を受けていることが明らかになった公安部の李東生副部長は、この誹謗中傷の急先鋒だった。中央テレビ(CCTV)の副台長だった李は弾圧開始後、法輪功を中傷する全国放送を繰り返し、弾圧を正当化させるためのプロパガンダを繰り広げていた。

 李への取り調べは法輪功弾圧に加担していたものを戦慄させている。彼らは、優勢に立った習政権が今後、彼らの極悪な犯罪にメスを入れることを恐れている。それを止めるために、死力を尽くして巻き返しをはかっているのだ。

 7. 王岐山が雲南省副省長にメス

 昆明事件直後、同市・雲南省の沈培平副省長が取り調べを受けていることが発表された。江一派が起こした昆明事件に沈が何らかの形で加わったようだ。

 中国メディアは沈の不正について、「2008年、住民と地元企業との衝突事件で、独断で警官隊を派遣し弾圧に踏み切った。警官隊が発砲し、2人が死亡した」と言及し、武装警察が起こした昆明事件との相似性を匂わせた。

 雲南省は江一派と様々な繋がりを持つ。昆明市に人民解放軍第14集団軍の軍部が置かれており、同集団軍は薄煕来の父・薄一波氏によって創設され、薄煕来と近い関係にある。省の現職トップの秦光栄は1999年から同省で重要ポストを歴任し、法輪功弾圧に加担した人物のひとりだ。

 昆明事件後、人民日報は事件を「重大な暴力テロ事件」としたが、新華社は市政府の発表として、「新疆ウイグル分裂勢力による組織的な重大暴力テロ事件」であると報じた。しかしのちに、新華社電子版が公安部の情報を引用した記事では「新疆ウイグル分裂勢力」の記述はなかった。

 数日後の全人代で李克強首相は事件について、「人類文明の限界を挑発した暴力犯罪とテロ行為」と強調したが、新疆には触れていない。一方で、雲南省トップの秦は事件を新疆独立派による犯行を意味する「聖戦」と発言したが、まもなく削除された。

 共産党支配を延命させるために、習サイドは昆明事件の真犯人を公表するのに踏み切れない。だが、このまま江一派の思う壺にはまると、さらに付け上がられる可能性がある。政府メディアの一進一退や雲南省高官の失脚は習と江のせめぎ合いを浮き彫りにし、習陣営は少々の妥協はしても大きな譲歩はしないという姿勢を鮮明にした。

 8. 腐敗撲滅計画が調整へ

 昆明事件は江一派と習陣営が対決する象徴的な事件になった。今後このような暴力事件が中国各地で増えることは必至で、両サイドの対戦も今後さらに激化するに違いない。習陣営が展開する腐敗撲滅計画は調整を迫られている。

 習近平や王岐山の反腐敗カードは江一派を滅ぼす切り札にはならない。そのカードは腐敗暴露合戦に結びつきかねないからだ。法輪功を弾圧し、数多くの国民を残忍極まりない手段で迫害、命さえも奪ったことにこそ、江一派の最大の罪がある。薄煕来も周永康も、曽慶紅も江沢民も、この罪でつながっているところが、習陣営との最大の相違点である。

 現政権は法輪功弾圧の真相を明かし、関係者の法輪功迫害の罪を追及してこそ、江一派を一網打尽にできるのだ。

 (終わり)

 ※ 本文中の名前は敬称を略している。

(翻訳編集・張凜音)


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