夢で出会った母親

2014年04月02日 07時00分
【大紀元日本4月2日】

 なぜ人は夢を見るのでしょうか。そのシーンは時に懐かしかったり、可笑しかったり・・・。謎はいまだに解明していませんが、何度も繰り返し見る夢は、あなたの潜在意識からのメッセージかもしれません。古代中国には、夢と前世のつながりを描いた物語があります。

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 北宋の頃、黄庭堅(こう・ていけん、1045-1105)という非常に優秀な男がいた。彼は詩と書画に優れ、23歳で進士に及第し、26歳で安徽省蕪湖県の長官に任命された。

 ある日、黄は夢の中で、見知らぬ村に向かっていた。

 村に入ると、ひとりの老婆が祭壇に線香を上げながら、誰かの名前をぶつぶつとつぶやいていた。黄が近づいてみると、そこにはセロリが入った美味しそうなうどんが供えられている。彼はうどんに手を伸ばすと、スープごと全部たいらげた。

 目を覚ました黄は、夢があまりにも鮮明だったことに驚いた。それだけでなく、自分の口の中には、さっき夢で食べたばかりのセロリの匂いも残っている。しかし黄は、これはただの夢であると自分に言い聞かせ、そのうちに忘れてしまった。

 次の日、黄は昼寝をしているときに、再び同じ夢を見た。目覚めると、再び口の中にはセロリの匂いが残っている。黄は不思議に思い、夢の中で歩いた道を実際に辿ってみることにした。彼は道の両側に、夢でみた光景と同じ景色が広がっているのが分かった。

 夢に出てきた老婆を探し出すと、黄は彼女にセロリが入ったうどんを祭壇に供えたかと聞いた。すると老婆は、「昨日は、亡くなった娘の26回忌です。彼女はセロリ入りうどんが大好きだったので、この家に帰ってきて食べられるよう、供えたのです」と言った。

 黄は、ちょうど昨日、自分が26歳の誕生日を迎えたことを思い出しながら、老婆に亡くなった娘について尋ねた。老婆によると、娘は読書が好きで、よく仏教に関する本を読んでいたという。輪廻転生を信じていた彼女は、26年前に病気で亡くなる直前に、必ずまた戻ってくると老婆に約束したという。

 老婆は黄を家に招きいれ、娘が大事にしていたという木製の箪笥を見せた。中には娘が読んだ本が入っているのだが、あいにく鍵がないので開かないのだという。そのため、箪笥は何年もの間、開けられていなかった。

 不思議なことに、黄は鍵の在りかを知っていた。彼が鍵を使って箪笥を開けてみると、中には娘がかつて読んだ数十冊の本と、彼女が書きつけた文章があった。それらの文章を読んでみると、黄が科挙の試験のときに書いた内容と全く同じだった。その時、黄は自分が娘の生まれ変わりであることを悟り、老婆と抱き合って泣いた。その後、黄は老婆に心から孝行を尽くしたという。

 世の中には類まれな才能と運に恵まれた人がいる。それは、もしかしたら過去に培った努力の結果なのかもしれない。

(翻訳編集・郭丹丹)
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