中国茶道と道家文化

2014年05月12日 07時00分
【大紀元日本5月12日】道家文化は自然の摂理に従い、淡泊で静かな心で命を養い、不老長寿に達することを重んじます。中国茶道にもこのような伝統医学、養生文化が多く含まれています。

自然の摂理に従う

 「自然の摂理に従う」という考え方が、道家の基本です。中国の茶道もこの考え方を非常に大切にしています。自然の摂理に従うことは、物質、行為、精神の三方面に現れています。

 物質の面において、中国の茶道では「お茶は南方の特別な木から採れたものであり、大自然に恵まれた貴重な木の芽である」と認識しています。従って、お茶を植える時、お茶を採る時、お茶を淹れる時、すべてにおいて大自然の法則に従わなければ、上品なお茶を作り出すことができないと考えられています。

 行為の面では、茶事において、自然の純朴さを大切にし、動く時は雲や水の流れの如く、静かなる時は山や岩のように落ち着き、笑う時は山野の春花の如く、話すときは山泉の滴る音の如く、すべては自然のあるがままに従います。

 精神の面では、中国の茶道は自然の原点に戻り、清浄、恬淡、無為の心境を保ち、心を解放してお茶の香りとともに飄逸し、宇宙と一体に溶け合って、無私無我の境地に達することを求めるのです。

 養生を大切にする

 道家の修行は、本来の、自分の本性に帰ることを意味する「返本帰真」を目標としています。不老長寿の「仙人」に達し、更に不死不滅の「真人」に返るためには、数百年ないしは数千年の修行が必要です。修行者たちはこの世で長く生きる必要があるため、「養生」をとても大切にしています。

 中国の茶道は修行ではありませんが、精神修養を積み、心身の健康を目指すことにおいて、修行と一致する部分があります。茶道は道家の養生思想の影響を受けているのです。

 一方、お茶は本来、心身の健康を促進する効果があります。中国の漢代に編集された『神農本草経』には、「お茶はやや苦味、飲めば思考力が増強し、眠気を抑え、身が軽く感じ、目が明るくなる」と記されており、日本の栄西禅師が書いた『喫茶養生記』にも「茶は養生の仙薬であり、寿命を延ばす効果がある。山にこの木が生えれば、其の地は環境が良いところであり、人がこれを採って飲めば、長寿を得ることができる」と書いています。

 道家の思想とお茶の効用を合わせて養生することが、中国茶道のもう一つの特徴です。

 静寂と無我を求める

 和、静、怡(い)、真が中国茶道の「四諦」です。「和」は万事万物の中に含まれる陰陽二つの要素の調和であり、「静」は雑念を清め、静寂な心を保つことです。「怡」は心身が自然と溶け合って、自由自在な気持ちになることであり、「真」は真実を見極めて、素直な心を保ち、偽りのない人生を送ることです。

 道家理論の根源は陰陽の調和であり、「至虚極、守静篤」(虚無の境地に至って、極まりの静寂を保つ)は道家修行に求められる心の状態です。「返本帰真」(本来の境地、真実の自分に返る)が道家修行の目標です。道家文化が中国茶道に深い影響を与えていることが分かります。

 茶事を通じて心の雑念を清め、静寂な気持ちを保ち、自然と調和して一体になり、物事の真実を見極めることが、茶道における最高の境地ではないでしょうか。

 (翻訳編集・東方)
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