米中両国がFATCA関連協定合意 汚職取締りの武器になるか

2014年07月02日 14時30分
【大紀元日本7月2日】海外の銀行口座に不正蓄財を隠すのは、中国の汚職幹部の常套手段である。習近平政権による汚職取締政策が続く中、米中両国は6月26日、1日から実施される米国のFATCA(外国口座税務コンプライアンス法)に関する協定を結んだ。それにより、相手国の国民と居住者がもつ自国内の金融機関の口座情報を、両国政府が互いに開示することになる。習政権にとって、米国に不正蓄財を隠す汚職幹部と富豪を取り締まれるほか、流出した巨額の不正資金を取り戻す有効な手段となる。

 2010年に米国議会で可決されたFATCA法は、世界各国の金融機関(FFI)に対して、FFIに開設されている米国国民と米国居住者の口座情報を、米国の内国歳入庁(IRS)に報告することを要求している。オフショア口座を利用した米国の租税回避を防ぐ事が目的である。これまでに英国、日本、香港、台湾を含む79の国と地域はFATCA法の実施に合意し、関連の協定を締結し、約8万の銀行およびその他の金融機関が同意している。

 協定を締結しない外国金融機関に対して、その保有する米国国内の資産(米国債など)から生じる収益に対して30%の源泉徴収が課せられる。

 今回の米中間協定は、所在国に帰化する前に開設した口座も情報開示の対象と定めている。

 同法案と協定の実施により、米国に逃げた中国の富豪と汚職者は、中国での財産と所得を申告し、毎年30%以上の所得税を納付しなければならない。税務専門家は、「海外への資産移転のコストが非常に高くなるため、多くの人はその方法を取らなくなる。中国政府にとって、不正資金の国外流失を有効に防げる」と分析した。

 FATCA法のほかにも、世界規模での脱税問題解決への取り組みが行われている。

 今年5月6日、スイスのほか、米国、中国を含む47カ国が、各国の税務当局間で外国人の銀行口座情報などの開示を義務付ける新基準に合意した。その実施によって、スイス銀行の数百年間続いた顧客情報守秘の伝統が終結を迎え、総額2.2万億ドルの口座情報が秘密事項でなくなる。

 スイス政府は2017年から実施するとしている。

 世界最大のオフショア金融センターで、脱税や資金洗浄などの温床とも言われているスイス銀行。金融筋の情報によると、中国政府の要人はスイス銀行に5千以上の秘密口座をもっている。

 中国人民銀行の昨年10月の発表によれば、90年代半ばから、海外に逃亡した幹部や行政機構・国有企業の職員は1.6~1.8万人に達し、持ち逃げした不正資金は約8000億元(約13兆円)。

 このような闇資金は主にスイスや米国に流れているともいわれている。

(翻訳編集・中林、叶子)


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