【医学古今】 口中の味から体質判断

2014年07月23日 07時00分

【大紀元日本7月23日】現代医学では検査の数値や画像が重視され、患者さんが訴える症状が軽視される場合が少なくありません。一方、漢方医学の診断においては、患者さんが訴えた症状をすべて情報として取りいれ、病因の分析を行っています。

 一方、さまざまな症状を理解し、その原因を分析するには相応の理論が必要です。その際、漢方医学の五行と臓腑の相関理論が非常に役立ちます。

 例えば、口の中が苦く感じるという症状がある場合、苦味が五行の中の「火」に関連する味であることを認識します。更に、体のどこかに異常な「火」があり、それによって熱が発生していることを意味しています。

 更に五臓五行の理論からいえば、「火」は五臓の心の特性であり、心臓の「火」(熱)から苦い味が生じた可能性が高いのです。

 もう一つの可能性として、五行の理論では「木」は「火」を生じます。「木」は肝臓の性質なので、肝臓のトラブルにより「火」が生じ、熱を発し、口中の苦味が発生した可能性もあります。

 これを見分けるためには、関連症状や脈診、舌診で収集した情報を分析して判断します。その結果に基づいて、心の熱か肝の熱を取る薬を投与し、あるいはその熱を取る鍼灸療法を施せば、症状を改善し治癒することができます。

 同じ考え方で、酸味や甘味、辛味、鹹味(かんみ)などの異味の原因を分析して治療することができます。機械的な検査で原因を究明することのできない症状には、漢方医学の理論を活用して患者さんにより満足できる医療を提供できると信じています。
 

(漢方医師・甄 立学)

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