【医学古今】 冬病夏治

2014年08月26日 07時00分

【大紀元日本8月26日】個人の体質状況によって特定の季節に繰り返し発症する病気があります。例えば、冬になると、喘息や咳、鼻炎、かぜ、胸痛、皮膚の発疹、腹痛、下痢、関節や筋肉の痛み、頭痛、霜焼け、冷え症などを毎年発症する人がいます。このような場合、冬を待たず、夏の間にその体質を改善し、冬になっても発症しないように治療することを「冬病夏治」(とうびょうかち)と言います。

 冬は寒冷の季節で陰気が強い時期ですから、身体が陽気不足で寒の邪気が潜んでいる場合、冬になると外からの寒さと体内の冷えが合わさって発症します。

 寒の邪気が潜んでいる場所によって症状は違います。肺臓に潜んでいる場合は喘息や慢性咳嗽(がいそう)、鼻炎が発症し、腹部に潜んでいる場合は腹痛や下痢、関節や筋肉に潜んでいる場合は関節痛や筋肉痛などにかかりやすくなります。

 夏は自然界にある陽気が上昇し、強くなって発散する時期です。この時期には体の陽気も成長し、体内に潜んでいる寒の邪気を追い出しやすくなります。

 しかし、身体の陽気不足によって寒の邪気を追い出すことができない場合、「冬病夏治」の方法を用い、身体の陽気を補助して、寒の邪気を追い出すことが出来れば、冬に繰り返し発症する病気を完治できます。

 これには漢方薬を使う薬物療法がありますが、お灸もよく利用されます。寒の邪気が潜んでいる場所に合わせて、それぞれのツボに強めのお灸を施せば、効果を得やすいのです。

 寒の邪気が肺臓にある場合に肺兪(はいゆ)、膏肓(こうこう)を、腹部にある場合に陰交(いんこう)、関元(かんげん)を、頭にある場合には百会(ひゃくえ)、関節にある場合に関節周囲のツボを選んでお灸を施します。お灸の熱感がしっかり深部まで届けば、より高い効果があります。冷え症や霜焼けの人には、腹部のお灸を中心的に行えばいいでしょう。
 

 (漢方医師・甄 立学)

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