「令計画の息子の死は太子党に仕組まれた」 袁紅氷氏が新著で見解

2014年12月26日 16時13分
【大紀元日本12月26日】22日に「重大な規律違反」で党の取り調べを受けていると発表された中共中央統戦部のトップ令計画氏。現最高指導者習近平氏の味方とみられている前最高指導者胡錦濤氏の側近である同氏の失脚は、国内外に衝撃が走った。各方面での憶測が飛び交う中、豪州在住の中国問題専門家、法学者の袁紅氷氏は今年5月出版の著書「台湾生死書」で、「令計画氏は太子党の反感を買ってしまった」「胡氏を裏切り周永康に協力した」とその失脚を早くも見据えていた。

 以下はその部分の抄訳である。

 胡錦濤体制下の2012年3月14日、令氏は中央警護局を率いて薄熙来を逮捕し、身柄を預かった。薄の腹心で一族の不正蓄財の重要証人である実業家の徐明も逮捕し、その身柄を当時の温家宝首相に渡すなど、将来が有望視されている一方で災いを招いた。

 中国共産党指導部高官の子弟グループである太子党の中で、陰険かつ傲慢な薄熙来を毛嫌いする人は少なくないが、薄を「有望な仲間」と思う人も多い。太子党にしてみれば、格下で臣僕である「官二代(一般幹部の子弟)」の令氏が、メンバーの薄を取り締まったのは許し難いことだった。さらに、令氏は薄熙来の失脚を利用して「さらなるステップアップ」という野心を抱いていた。太子党メンバーは自らを守るため、反撃の矛先を令氏に向けた。

 薄熙来が逮捕されて5日目の18日早朝、北京市内の環状道路でフェラーリの自損事故が起きた。乗っていた3人のうち、運転していた男性は即死、女性2人は重傷でそのうちの1人は後に死亡した。男性は令氏の息子だった。酒と女好きで知られていた息子はこの日の朝方まで高級クラブで美女たちと酒を飲んでいた。事故の知らせを受けた令氏は、中央警護団を現場に向かわせ、遺留品や証拠を持ち去った(中国国内の報道は事故関係者の正体を伏せた)。

 中央警護団は最高指導部・中南海等の警備、要人警護を担当する軍事組織であり、令計画氏が私用で出動させたことが、後に太子党らに問題視され糾弾された。

 事故は太子党のあるメンバーが仕組んだもの。3人は睡眠導入剤入りの酒を飲まされ、フェラーリのブレーキが細工されていた。

 一方、当時公安・司法を統括する中央政法委のトップ周永康も仲間の薄熙来の逮捕で強い不安に陥り、取り締まりから逃れるため令氏の弱みに付け込もうとした。周から一族の数々の汚職の証拠を見せつけられた令氏は、周に「協力」すると意を決した。薄熙来問題に周が巻き込まれないようにするのが、その「任務」だった。

 胡錦濤氏が令氏に説得され、周永康は事なきを得たと思われた矢先に、太子党メンバーらは相次ぎ最高指導部に、令計画氏の背任行為を報告し、「薄熙来よりも重罪だ。厳正なる処罰を」と求めた。

 こうした状況の中、胡氏も令氏を守り切れず、「厳しく追及しないでほしい」という言葉だけを残した。2012年9月、令氏は「党最高指導部の中枢」とも言われる共産党中央弁公庁のトップの座から降ろされ、実権のない中央統戦部トップに就任、事実上の左遷となった。(抄訳 終了)

 中国国内ニュースサイト「財新網」は令氏失脚発表の当日、「2012年3月18日のフェラーリ事件をもみ消すため、令計画氏は当時の中央政法委のトップ(周永康)と政治取引を交わした」と報じ、のちに政治取引が発覚し、令氏の政治生命に終止符が打たれたと伝えた。この報道はその後、取り下げられた。

(翻訳編集・叶子)


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