【医学古今】 慢性中耳炎の鍼灸治療

2015年02月18日 07時00分

【大紀元日本2月18日】慢性中耳炎で鍼灸治療に来られる方は、さほど多くはありません。鍼灸で中耳炎の治療ができることを知らず、鍼灸治療を受けることを思い付かないためです。しかし実際は、中耳炎も鍼灸治療の適応症の一つです。最近このような患者さんを治療して、良い効果が得られました。

 50代の女性で、慢性中耳炎のため何回も鼓膜切開手術を受けている方がいました。中耳の中にどろどろした液体が溜まり、鼓膜切開をしてもなかなか取れません。耳鳴りもあり、聴力が徐々に低下していると感じておられました。また、耳の他に喘息も患っており、副鼻腔炎で手術を受けたこともあります。

 鍼灸医学の経絡理論から考えると、耳の周りに廻る経絡は太陽小腸経(たいようしょうちょうけい)、少陽胆経(しょうようたんけい)と少陽三焦経(しょうようさんしょうけい)で、臓腑理論から考えると、耳は腎臓の外竅(がいきゅう)で、その機能は腎と密接に関連しています。さらに喘息、つまり慢性的な肺臓の機能異常は、金(肺)水(腎)相生の五行理論に照らし合わせると、腎の機能に必ず影響を与えています。

 以上を踏まえ、この患者さんには主に腎経、胆経、三焦経、肺経のツボを取って治療することにしました。取穴(しゅけつ)は太谿(たいけい)、聴会(ちょうえ)、完骨(かんこつ)、天牖(てんゆう)、経渠(けいきょ)、気海(きかい)、侠谿(きょうけい)、足三里(あしさんり)などです。

 週2回、3カ月治療を続けて再検査を受けると、片側の中耳の中の粘っこい液体は殆ど吸収されて、もう片側の液体もかなり減っていました。耳鳴りも無くなり、聴力も改善されました。今までの治療では得られなかった変化に、患者さんも非常に喜んでおられました。

 治療はまだ継続中ですが、より良い結果を期待しています。
 

 (漢方医師・甄 立学)

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