激変中の中国政治情勢と日本・香港への影響(5)

2015年06月22日 16時07分
【大紀元日本6月22日】編集者注:1989年の学生民主化運動「六四天安門事件」から今日まで、中国では一連の重大事件が発生し、未曽有の変化が起きた。しかも、それは引き続き、中国、ひいては全世界に長期でかつ強い影響をもたらしている。こうした中、中国政府は巨大市場を餌食に外交ルートを通じて、各国政府、報道機関、企業及び投資家に圧力を講じ、国際報道機関に対し、「極めて敏感な事件」の真相を伝えないよう報道自粛を迫ってきた。それにより、国際社会が中国情勢を適正に判断できず、関わり方を間違ってしまい、歴史的な機縁を失ってしまう恐れが生じている。

 今年2月18日、大紀元香港支社の郭君支社長は東京新宿の京王プラザホテルで講演会を開いた。中国情勢のキーポイントとなる問題を解説、激変を遂げる中国が日本及び香港にもたらす影響を分析した。以下はその講演の和訳第五部「習近平陣営のキツネ狩り作戦、見直される江派ビジネス契約」である。

  中国政治情勢の変化はその政治、経済、国民生活に大きな変化をもたらしているほか、国際有名ブランド、多国籍企業、外資系企業など各種企業の中国での発展戦略にも直接影響を与えています。新たな情勢の中、各種企業は経営リスクを回避するため、中国政治情勢の行方を読み取り、その市場の未来構図を正確に把握し、正しい価値判断を迫られています。 以下、主要問題を中心に説明します。

 党員の腐敗を取り締まる中共中央規律検査委員会(中紀委)の反腐敗キャンペーンは国外にまで及んでいます。その公式サイトの発表では、外交部規律検査委員会トップが調査チームを率いて昨年11月頃から、駐米中国大使館、駐国連中国代表団などの在外公館を順次調査しています。中国問題専門家の間では、江沢民派の海外ネットワークを取り崩すためで、同派支配下の在外公館による各種違法行為が摘発される、との見方があります。

 ※習近平体制は江沢民派のビジネス契約を認めない

 一党専制の中国では、政治権力と経済が緊密につながっており、政治要因が経済の動向を決めます。

 江沢民氏が政権の主導権を握った20年間、多くの国際有名ブランド、グローバル企業は中国政府とビジネス契約を結びました。目下の政治闘争の中、習近平体制は江沢民派主導のビジネス契約を相次ぎ破棄したり、終わらせたりしています。場合によってはその法的責任を追及します。外国企業にとって、中国の政治情勢を正しく認識するのが重要で、同派との利益供与と政治的協力が続くなら、中国市場で勝者になる可能性はありません。

 ※習近平体制の「キツネ狩り作戦」

 中国政府系メディアの昨年12月5日付の報道によると、同7月22日この作戦が始動してから、国外逃亡の汚職幹部428人が逮捕され、そのうち231人は「自首」だそうです。中紀委トップ王岐山氏が率いるこの作戦は、「反腐敗キャンペーンの第二の戦場」とも言われています。

 王岐山氏が狙っているのは「ハエ(一般幹部)よりも大トラ(高級幹部)である」と思われています。江沢民派の腹心やその関係者である次の4人、豪州潜伏中の元国家電力公司トップ高厳・容疑者、元国家副主席・曽慶紅氏の息子の曽偉氏、元中央政法委トップの周永康被告の義妹・賈暁霞氏、元重慶市トップの薄熙来受刑者の息子・薄瓜瓜氏が、キツネ狩り作戦の「四大ターゲット」とも言われています。

 一方、同派が関与した各種ビジネスも「抜本的に見直されます」。いくつか実例を挙げて説明します。

 ① メキシコ高速鉄道建設プロジェクト白紙化

 今年1月30日、メキシコ政府は入札やり直し予定の同プロジェクトの無期限延期を発表しました。昨年11月、中国鉄道部傘下の国有大手二社「中国鉄建」と「中国南車」中心の企業連合がいったん落札したが3日後に取り消されました。

 メキシコ大統領夫人が、数年前から同企業連合から「豪邸をもらった」との疑惑が浮上したからです。中国鉄道部は従来から江沢民派の「畑」であり、元トップで汚職などの罪で執行猶予付き死刑判決を受けた劉志軍死刑囚は江氏の腹心です。中国問題専門家は、この豪邸スキャンダルをリークしたのは習近平サイドとみており、「江沢民派が各国政財界に贈る賄賂の証拠を横流しすることで、同派と各国間の各種ビジネス契約を白紙化させるのが狙い」とのことです。

 ②経営危機に陥った中国不動産大手「佳兆業」

 香港株式市場に上場する同社の創業者一族は、汚職などで起訴された周永康(6月11日無期懲役刑発表)一族や深セン市主要幹部などの江沢民派メンバーらと深い癒着関係にあるとみられ、中国国内ニュースサイト・財新網傘下の新世紀誌が、関連の長編調査報道を出していました。前出の江沢民派メンバーらが相次ぎ取り調べを受ける中、昨年11月、同社は習近平体制の反腐敗キャンペーンの調査対象となり、物件販売の一時停止や銀行口座凍結の処分を受けました。こうした中、今年に入ってから、デフォルト(債務不履行)に陥るなど経営危機が起き、最新の報道によれば、一族は保有株をほぼすべて売却、1人のみが経営陣に残留しました。

 江氏が政権の主導権を握った20年の間、権力と金を駆使した「金銭外交」を盛んに展開、外国政府や企業と多くの産業領域でビジネス契約を交わしてきました。その裏の不正は深刻でしょう。

 2015年、国際社会は習近平体制の反腐敗がもたらす新たな政治・経済情勢を見極めようとしています。そして、習・江闘争が続き、中国共産党の政権不安が強まる中、大量のマネーが今、米国など諸外国に流出しています。

(翻訳編集・叶子)


 続く

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