韓国MERS感染者激増 不安高まる

2015年06月15日 07時00分
【大紀元日本6月15日】今年5月4日、バーレーンに半月間滞在した68歳の韓国人男性がMERS(中東呼吸器症候群)に感染していることを知らずに帰国し、11日に発症、複数の病院を受診した結果、20日にMERS感染が判明した。その後、韓国で急速にMERSの感染が広がっている。6月13日までの感染者は138人、うち14人が死亡した。感染は依然広がり続けており、緊張が高まっている。

広がり続ける感染

 韓国での初めの感染拡大は、最初の感染者が入院した平沢聖母病院で起こった。平沢聖母病院に入院していた患者とその家族、及び病院勤務者に二次感染したのである。その後、二次感染者が他の病院に移ったことで三次感染が起こり、感染者が急激に増加した。6月13日の時点で、感染者138人、死者14人に達する事態となっている。感染者には7歳の女児、16歳の男子高校生も含まれる。また、MERS感染の拡大を受け、大統領の訪米も延期された。

 感染拡大の結果、韓国のMERS感染者数はサウジアラビアに次いで世界で2番目となった。韓国での感染は当初、主に病院の中、つまり院内感染に限られていたが、感染した父親が自宅隔離されていたという7歳の女児の感染が判明したことで、初の病院外での四次感染が起こった可能性も出てきている。13日現在、隔離対象者は3680人。2900もの学校で休校措置が取られているが、世界保健機関(WHO)と韓国の合同調査団は「休校措置は過剰反応」と、休校措置の解除勧告を出した。

高まる不安

 感染は拡大し続けており、隔離措置は不十分なまま、有効な治療方法はなく、有効な予防措置が分からないなどの要因で、市民の不安は日々高まっている。

 現地メディアによると、国内の爆発的な流行を受けて6万人超の外国人が韓国への旅行を取りやめたという。一連の問題をめぐってソウル市と政府が対立するほか、政府発表のMERS病院リストに誤りが多数見つかるなど、混乱が収まる気配はない。そんな中、MERSに感染した医師が1500人規模の地域行事に参加したことが判明し、大騒動になった。この医師は当時は鼻炎以外の症状は出ていなかったと弁明したが、猛反論されて新たな混乱を生んでいる。これまでの感染経路は病院内だけだったが、院外でも感染リスクが広がったことで国内の混乱に一層拍車がかかっている。

MERSとは

 MERS(マーズ)は中東呼吸器症候群(Middle East Respiratory Syndrome)の略称で、マーズコロナウイルス(MERS-CoV)によって起こされた呼吸器の症状を中心とする感染症である。2012年9月にサウジアラビアのジェッダで初の感染例が発生し、主にアラビア半島、又はその周辺諸国で伝播していった。現地渡航の欧米人やアジア人の感染例もあったが、今年5月までは他の地域での感染の広がりは見られなかった。今回の韓国での感染拡大は、中東以外の地域では初めての事例となる。2015年5月30日までの統計では、感染者1149人(韓国12人を含む)、うち431人死亡。死亡率は40%から50%に達し、2003年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)の死亡率(約9%)より遥かに高い。

 感染経路は正確には分かっていないが、ヒトコブラクダが感染源の一つであると推定されている。一方で、患者の中には動物との接触歴がない人も多く含まれており、家族間、医療機関における患者間、患者と医療従事者間など、限定的なヒトからヒトへの感染も一部報告されている。

 主な症状は発熱、せき、息切れなどで、下痢などの消化器症状を伴う場合もある。MERSに感染しても症状が現われない人や軽症で済む人もいるが、高齢者や糖尿病、慢性肺疾患、免疫不全などの基礎疾患のある人は重症化する傾向がある。

 特別に有効な治療法は無く、現在は症状に応じた対症療法が行われるのみ。

 予防法は、以下の通り。

 ・休息、栄養を十分に取り、体に抵抗力をつける

 ・手指等の衛生保持に心掛ける

 ・できるだけ人混みを避け、マスクの着用を励行する

 ・咳やくしゃみの症状がある患者とは、可能な限り接触を避ける

 ・温度の変化と乾燥に注意する

 ・高熱、咳、呼吸困難等の症状が見られた時は、早めに医師の診断を受ける

 (翻訳編集・東方)
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