唐王朝の名宰相・婁師徳の因果応報

唐王朝初期、婁師徳(ろう・しとく)という名宰相がいた。背が高く、大きな口と厚みのある唇はその人物の人となりを表していた。史書によれば彼は落ち着いた性格で度量が大きく、たとえ彼を怒らせる相手であっても許しを請えば、謙虚に譲歩した。しかも立腹した表情を顔に出すこともない。中国ではよく知られている諺の「顔に吐かれた唾が自然に乾くのを待つ」、すなわち、侮辱を受けてもじっと我慢するというのは彼に由来している。
2021/03/04

度量の広い宰相

唐の時代、狄仁傑(てきじんけつ)と婁師徳(ろうしとく)の二人は、武則天に仕える政治家だった。しかし、狄仁傑は常に婁師徳を誹謗していた。ある日、武則天は仁傑に、なぜ彼女が仁傑を登用したか知っているか、と聞いた。仁傑は、答えた。「私には卓越した才能があり、他人の助けを必要としません。優秀で、徳もあり、また世知に長けています」
2015/12/01