左脳に潜在する、生まれつきの「快活的心情」

【大紀元日本6月14日】米国の神経生物学者がこのほど発見した驚くべきことには、快活的な心情を持つ人は後天的に形成されるのではなく、生まれつきであるという。人間の「快活的心情」は左脳に潜在するというが、左脳が主導している人は30%に過ぎないという。社会調査によると、心情の快活さは、性別、年齢、財産とは関係がないという結果が明らかになった。

ロシアの「共産党青年団真理報」紙によると、米ウィスコンシン州メディソン市大学の情感神経生物学実験室主任リチャード・デイビス教授が、志願者1000人以上を対象にした10年に及ぶ研究で、生活の喜びを感受し、趣味に興じ、溌溂として希望に満ちる等の優良な精神的要素は、すべて左脳に貯蓄されているという結果を発見した。

また、右脳に貯蓄しているものは憂鬱、失望および思い悩み。したがって、すべての悲観主義者、懐疑主義者および自殺者は右脳が主導するものが多く、楽観主義者は左脳が主導するものが多いという。

これは人類生物学上の有意義な発見であり、大脳正面皮層の左右半球は、見た目は同様であるが、制御するものはまったく相反する感情であるのだ。

ロシア医学博士ナタリア・リンツ氏は、人間の性格は大脳の中でもっとも活躍している部分で決められる。それによって、人々はある遭遇に直面した際の表現もそれぞれ異なる。一部の人は挫折にあっても気落ちしないが、一部の人は些細なことで気が滅入ってしまうという。

一方、ここ50年間、いろんな心理学者が感傷的なもの、恐怖および落ち込み等憂鬱の心理状態に関心を寄せてきた。医者たちは患者の憂鬱の症状を取り除くことに成功したが、患者たちは生活の喜びは感じることができないままでいるという。なぜなら、主導する(右)脳には喜びや溌溂等の要素が貯蓄されていないからだ。

生活の喜びを感受できる原因を探るため、近年では研究学者の多くが人生を楽しむことができる人々に注目し始めた。脳下垂体から分泌される一種、βエンドロフィンも人に快感を与える要素で、肥満した人は一般的に快活であるという。

ノーベル賞の受賞者ジェームス・ウォソン氏は、肥満した人と痩身の人の体内で起きている化学過程について研究を行い、余分の脂肪が人体に対して良好な作用をもたらすことを発見、また、肥満した人から分泌されるβエンドロフィンの量は痩せている人より比較的多いことも明らかにした。