中国古代の物語

自分の行いを正し、修めること

自分の妻や夫から行いの悪い部分を指摘されて、素直に受け止められる人は一体何人いるでしょうか?古代中国の物語には、自分の行いを正した後、はからずも高官の職を得た人物がいます。

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春秋戦国時代の斎の宰相・晏嬰(あんえい)は、誠実で、自分の足りない部分を認め、素直に向上する人物を高く評価した。

ある日、晏嬰の御者を務める男の妻は、自分の夫が馬車を御しているのをこっそりと見ていた。夫の様子は非常に偉そうで、もったいぶった様子だったので、妻は失望して帰宅した。

御者が家に戻ると、妻は離縁したいと切り出した。妻の言葉に、御者は驚いて理由を聞いた。

妻は静かに言った。「晏子様は、斎の宰相として非常に名声の高いお方で、常に思いやりがあり、見栄えもいいのです。晏子様はあなたより背丈が低いのですが、決して奢らず、いつも謙虚にしておられます。一方、あなたは御者でありながら、晏子様より背丈が大きく、いつも得意満面な様子です。私は、それを見て、あなたと離縁したくなったのです」

御者は妻の言葉を重く受け止め、それからは謙虚に振舞うよう努めた。晏嬰は御者の態度が変わったのに気づき、彼に理由を聞いた。御者は、妻から言われた言葉を正直に伝えた。

晏嬰は、彼の正直さと自分の行いを積極的に正す態度を見て喜んだ。その後、晏嬰は彼を大夫(たいふ、高官の地位)に取り立てたという。

(翻訳編集・郭丹丹)