大紀元時報

中国のサイバースパイの背後にあるもの

2016年01月08日 00時00分
2013年4月23日、中国北京の八一ビルの正面玄関を護衛する中国の兵士。中国政権は、米国企業と米国政府をターゲットとする軍事ハッカー網を営む (Andy Wong/Getty Images)
2013年4月23日、中国北京の八一ビルの正面玄関を護衛する中国の兵士。中国政権は、米国企業と米国政府をターゲットとする軍事ハッカー網を営む (Andy Wong/Getty Images)

 人民解放軍総参謀

 産業情報の窃盗のためのサイバー攻撃の場合は、そのほとんどが人民解放軍総参謀第三部によるものだ。この部門は中共のシギントSIGINT:signals intelligence(傍受を利用した諜報活動)を運営する。

 この第三部に並び、 従来の人間を媒介とする諜報活動、ヒューミントHUMINT:Human intelligenceの第二部、そして 電子情報(ELINT:Electronic intelligence)の第四部がある。

 中国の諜報活動には重複する部分が多くある。 企業のコンピューターに「誤って」感染させる助けを人間のスパイが行う場合がある。また中共のハッカーが、サイバー攻撃を開始し、内部諜報員でなく、サイバー攻撃によって情報が盗み取られたとみせかけ、内部にいる諜報員が追跡されないよう助けることもある。

 中共の諜報活動のかなりの部分を軍のもとでこれらの部門が取り扱い、活動も大規模なスケールで行われている。シンクタンクProject 2049 Instituteは、2011年11月、第三部の雇用者数を13万人と推定。『ウォールストリート・ジャーナル』は、第三部 は、ハッカー、言語に堪能な者、アナリストを抱え、その職員数は10万人と推定している。

 上記の推定は、第三部は12局から構成されると記述されているところから、初期のものとされる。現在の第三部は少なくとも20局と知られている。

 三層に分かれたサイバースパイ組織

 人民解放軍を研究する機関が発表した『軍事戦略の科学』2013年版によると、中共のサイバースパイは三層に分かれている。この年の3月に情報研究分析センターのリサーチアナリスト、ジョー・マクレノルズが詳細を解説している。

 中共のサイバースパイの第一層は、ネットワーク上の攻撃と防御を行うために配備された軍事ユニット。第二層は官庁を含む市民機関のスペシャリストから構成され、ネットワーク戦争の戦略を実行する権限を軍から与えられている。第三層は官庁・軍部以外のグループで、ネットワーク戦争の戦略実行のために組織化、動員が可能。

 中国の軍部はさらに、これらの戦略を助けるための企業を運営する。FBI防諜部隊の前副部長によると、窃盗を業務とする軍のダミー会社を中国政権は米国で3200社以上営んでいると、米国2010年のアメリカ国防脅威削減局(DTRA:Defence Threat Reduction Agency)が2010年に報告している。

 中国経済を豊かにするための窃盗

 個人的な金銭面での奨励(特に中国の軍事指導者に適用)もあるが、 産業情報の窃盗は、中共が中央からの連係を通して指揮している。

 産業情報の窃盗を指揮する主要なプログラムのひとつにプロジェクト863がある。米国の国家防諜部(NCIX:National Counterintelligence Executive)の報告書によると、プロジェクト863は、米国の技術と機密に関わる経済情報を内密に取得するための資金とガイダンスを提供するもので、中共の同プロジェクトへの力の入れ方は「象徴的」であるとする。

 これらの制度や政策は全て、中国経済を豊かにするために、米国やその他のイノベーション諸国から窃盗するという共通した目的で統合されている。

 「米中の経済と安全を見直す委員会」による報告書では、中国は、「『イノベーションの営利主義』制度の一部として、産業スパイや強制的な技術譲渡、国外技術の著作権侵害と偽造に依存している」と 明記されている。

 「不法に必要なものを取得することで、基本的な研究や独自製品の開発におけるコストや難しさを避けることを中共は可能にしている」と同報告書は加えている。

(記者:Joshua Philipp  翻訳編集:鶴田ゆかり)

 

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