THE EPOCH TIMES
神韻交響楽団音楽家

心の扉を開けて 神韻交響楽団バイオリンソリスト、鄭媛慧さん

2016年06月20日 17時45分

―ステージで緊張することはありますか?

 ありますよ。実際、緊張するタイプなんです!たいていは、舞台そでからオーケストラの前に出て、最初の音を出すまでが一番緊張しています。でも、一旦演奏が始まれば音楽に入り込んでしまいますからもう大丈夫。観客の皆さんの心の琴線に触れることに集中しています。

 演奏前には心を穏やかに保つことが必要だということが、今ではよく分かっています。以前は舞台に上がる直前まで必死に気になる所を直していました。一番良い状態をキープしておきたかったからです。ですが今は座禅を組み、心を鎮めます。こうすると逆に音の一つ一つに宿るエネルギーがさらに高まるのを感じられるからです。

―これから羽ばたく若い音楽家に対して何かアドバイスをいただけますか?

 「余計なことを考えず、ひたすらやり続ければそれでいい」これは昔、ある先生から言われた言葉です。大切なのは全身全霊を込めて音楽に打ち込み、余計な心配はしないこと。どれだけ長く音楽に携わっていても、最初に抱いた情熱を持ち続け、常に向上し続ける努力が必要です。

―サラサーテのツィゴイネルワイゼンについて、この曲をどのように解釈されていますか?

 私はこの曲を三つの部分に分けて考えています。ほとんどの人は第一部分をドラマチックに解釈していますが、私はむしろこのパートに込められているものは無力感と悲哀だと感じています。第二部分は自由なテンポで別の雰囲気へと移行し、最後のアレグロの部分では、軽快で明るいダンスをイメージしています。若い頃の私の一番のお気に入りはこのツィゴイネルワイゼンでした。第三部分のはつらつとした軽快さが好きだったからです。でも今はむしろ第二部分に心惹かれます。私の心の内面を映し出しているように感じるからです。この曲を演奏する前はいつも、とても親しい人のため、例えば親友のために演奏するのだと想定しています。

 実のところ、この曲はこれまでの私自身の人生を思い起こさせるのです。私が三歳の時に祖母が法輪功の修練を始めました。それまでの祖母は高血圧や腫れものといったいろいろな病気を患っていましたが、修練を重ねていったところ病が全て治癒したのです。それで家族全員が修練をするようになりました。

 ところが1999年から中国共産党による法輪功学習者の弾圧が始まり、2006年には警察が我が家に押し入って、法輪功関係の書籍や資料などはすべて押収され、母と祖母は拘束されてしまいました。その後二人は迫害を受けたことが原因で、わずか十五日の間に相次いで亡くなってしまいました。

 それからは父が私を連れてあちこちを流浪しました。捕まったらどうしようとそれは恐ろしかったですよ。なぜ政府が私たちにこんな仕打ちをするのか理解できませんでした。「真、善、忍」を信じることがそんなに悪いことなのか?なぜ捕まえようとするのか?と。中国当局がなぜ私のような人間を弾圧しようとするのか、多くの人は未だに理解していないと私は考えています。

 幸いにも私は、アメリカに来てからやっと落ち着いた生活を送れるようになりました。でもこの自由の国にやってきてもなお、中国のような恐怖と隣り合わせの環境に身を置いているような気がしてなりませんでした。アメリカに来て最初の半年間は、パトカーを見ただけでどきっとしました。自室で座禅を組んでいるときもカーテンを閉め切ったままにすることが当たり前になっていましたから、外で修練するなんてとてもできませんでした。窓を開けられるようになるまで、半年かかったのです。こうした経験から、別名「ジプシーの旋律」というツィゴイネルワイゼンをより深く理解することができました。音楽に共感を覚えることもできるのですね。

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