マラリアの新しい予防法 ニワトリを寝室に!

による伝染病マラリアは現在、日本でも毎年50〜100人の発症例が報告されている。エチオピアのアディス・アベバ大学(Addis Ababa University)が最近、マラリアの予防法を発表し、注目が集まっている。それによると、ニワトリはマラリアを媒介するハマダラカ(羽斑蚊)に対して忌避効果があるのだという。

エチオピアの一部の家では、家畜を屋内にしばらく留める習慣がある。そこで、研究チームはヒト(人)6700人、牛10000頭、ニワトリ3200羽、ヤギ850匹、羊480匹をそれぞれ屋内と屋外の二つのグループに分け、蚊に血を吸わせる実験を行った。被験対象の血液でお腹がいっぱいになった蚊からそれぞれの血液を抽出して比較した。

 すると、屋外グループで捕獲した約1200匹の蚊が好む血液の63%が牛から、20%がヒト、5%がヤギで、2.5%が羊の順になった。一方、ニワトリの血液が検出された蚊は一匹のみだった。また、屋内グループの場合、蚊が好む血液の69%がヒトで、18%が牛、3.3%がヤギ、2%が羊で、ニワトリの血液は検出されなかった。これらの結果から、ハマダラカはニワトリを忌避することがわかった。この研究結果はマラリア・ジャーナル2016年7月号で発表された。

研究に参加したスウェーデン農業科学大学(Swedish University of Agricultural Sciences)のリカルド・イグネル(Rickard Ignell)教授は、「蚊がニワトリの匂いで追い払われることに驚きました」「ハマダラカ(羽斑蚊)が匂いによって、特定の生物を避けることが初めてわかりました」と述べている。

 マラリアが流行している国は、ベッドの側でニワトリを飼ったらよいかもしれない。

(翻訳編集・豊山)