THE EPOCH TIMES
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中国のジャーナリズムとは? 選択迫られる外国人教師(1)

2016年08月29日 00時07分

 通報される外国人教師 監視役が教室に?

 あるとき、エメット氏は18世紀の英国人哲学者、エドマンド・バークの「第4の権力」について講義していた。バークは、マスメディアは行政権、立法権、司法権のいずれからも独立した、4つ目のバランス調節機関であるべきで、こうした機能を実現するためには、マスメディアが独立性を保ち、政府からの情報統制を受けないことが必要だと説いていた。

 エメット氏は、中国人学生に、民主主義国家では、少なくとも米国では、マスメディアはいかなる権力からも独立していなければならないと認識されていることを理解してもらうため、学生たちに対し『もしマスコミが市民の意見を代弁せず、市民の活動を支持しないというのなら、一体誰がその意見を代弁するというのですか?』という質問を投げかけた。

 この発言は、一部の中国人学生の間に波紋を広げた。そしてある学生が、大学側へ報告した。その結果、学校側は彼女の講義に査察を入れることを決定した。

 エメット氏は、「1度や2度なら気にしませんが、その状態がずっと続くなら、講義を続けていくことはできません」と回答した。

 結局、エメット氏の講義に学校から調査が入ったのかどうかは不明。教室では数回ほど、見慣れない顔の人物を見かけたこともあるが、本人に誰なのかを問わなかった。

 エメット氏の講義の受講生には、共産党員もいた。最も優秀な教え子数人は、党の方針にそぐわない言動を見聞きした場合、報告する義務が課せられていた。

 彼らに入党の理由を尋ねたところ、『中国で何かしようと思うなら、共産党員にならなければ』という答えが返ってきた。「彼らの立場は十分理解できます」と語るエメット氏の表情は沈んだ。1年間の契約期間が経つと、大学を離れた。

(つづく)

(翻訳編集・島津彰浩)

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