THE EPOCH TIMES
中国政治

分析:習氏は一石三鳥? 元江派閥の李鴻忠氏が天津市トップ就任 

2016年09月14日 18時45分

 習氏への忠誠を誓う李氏

 江派閥の李氏は2012年4月、江の側近で元中央政治局常務委員の周永康氏とともに湖北省武漢市などへ視察した。しかし、14年7月周氏が汚職で失脚した後、李氏は公の場で習近平氏を支持する発言が相次いで、習陣営に寝返り、習氏への忠誠を示した。

 14年12月22日、当局は元中央弁公室主任である令計画氏が汚職の容疑で調査を受けていると発表した。李氏は直ちに湖北省幹部を集め、党中央の決定を支持すると示した。また、同省党委会議で李氏は習氏が中国共産党中央の「指導の核心だ」「習近平氏に見習う」「習氏の指導核心を擁護していく」などと発言した。

 李氏の習氏を擁護する発言は一定の効果があった。15年7月24日、中紀委は河北省党委書記の周本順氏が汚職の容疑で調査を受けていると発表した。同日、中紀委は同公式ウェブサイトで湖北省党委書記の李氏への独占インタビューを掲載した。両省のトップの異なる待遇は李氏の将来を示唆された。

 習氏の狙いは一石三鳥?

 では、習氏はなぜ江派閥の李鴻忠氏を天津市トップに就任させたのか? 目的は3つある。

 一つ目は、権力の掌握だ。習近平氏が国家主席を就任前、江沢民派閥が政治権力を握っていた。習氏が就任後、人材不足に直面した。この3年間、習政権は100人以上の江派閥官員を失脚させたが、現有の中国共産党体制では、すべての江派閥官員を失脚させるのが難しい。したがって、習陣営に寝返った官員を起用せざるを得なかった。同時に、党内権力闘争を様子見している江派閥官員に対して、江派閥から脱退すれば、重要なポストに任命する可能性があるとのメッセージを出し、官員らに安心感を与える効果がある。

 2つ目は、江派閥を内部崩壊を狙っているため。李氏の天津市トップ就任で、江派閥で黄興国氏の背後にいる現中央政治局常務委員、張高麗氏らの汚職を摘発し、張氏らの失脚を図ることは、習氏が李氏に課した最大の任務だ。また李氏の忠誠心を試そうとしている。昨年、天津市で起きた大爆発事件で、市は環境危機など多くの難題に直面している。これらの問題を適切に処理できるかどうかも、李氏に課した課題だ。

 3つ目、天津市トップが在任中に失脚したことで、習氏は党内高官に対して、昇進したからと言って政治地位が安全だということではないとのシグナルを送っている。習氏は国家主席になってから、党内の多くの慣例を打ち破った。天津市党委書記が中央政治局委員を兼任する慣例もなくなり、天津市が直轄市でなくなる可能性もあるとみる。この可能性は黄興国氏が2年間もの長い間、同市党委書記代理のままで、正式の党委書記がいなかったことから見てとれる。

(時事評論員・夏小強、翻訳編集・張哲)

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