【社説】2017年は大変革のとき 米国、欧州、中国も伝統回帰へ(1)

「政治の素人」であるトランプ氏が米国の次期大統領に選出されたことは正に奇跡だったが、より重要なことは、トランプ次期大統領が実施しようとする新たな政治形態は、米国全体を伝統回帰させるものであるという点だ。
トランプ次期大統領は、就任後に1954年から実施されてきた「ジョンソン修正」を廃止すると確約した。ジョンソン修正とは、宗教組織が政治候補者たちの支持又は反対を表明した場合、その税免除資格を剥奪するというもの。今回の措置で、キリスト教が米政界に与える影響を根本的に開放するものとなる。このことは、米国が公式な国家のモットー、「In God We Trust(我々は神を信じる)」の建国原則に真に立ち返ることへの助けとなるだろう。
またトランプ次期大統領は、オバマ大統領が署名した数々の大統領令を破棄するとも見られている。その最たるものが昨年5月にオバマ大統領が下した大統領令、「トイレ令」だ。これは戸籍上の性別にかかわらず、自分がそうだと認識している性別に従って男女どちらのトイレを使ってもよいというもので、米国全土で賛否両論の嵐が巻き起こっている。また、国会で「オバマケア」の廃止の決議が可決され、競争原理による医療保険費用の削減を図ろうとしている。
反グローバル化の加速 欧州に台頭する伝統的価値観
昨年の英国国民投票でEU離脱が決定したことに端を発し、欧州では保守派の台頭が始まった。17年に実施される欧州諸国の選挙に伴い、欧州の保守派が政治の舞台の主役に躍り出て、欧州で反グローバル化が加速することが予想される。
欧州における保守派の台頭によって、全体的かつ長期的に欧州の難民問題と経済危機が緩和されるとともに、百年余り続いてきた共産主義の意識形態と経済モデルが欧州で正式に終結することをも暗示させられる。今年、我々は欧州が伝統回帰への道へと歩み出すのを目の当たりにするだろう。
(つづく)
(翻訳編集・島津彰浩)