中国人民共和国誕生の暗部

中国共産党による「長春包囲戦」70年目の真実 『長春飢餓戦争』が上梓

2017年05月02日 10時00分

 真実には人を動かすだけの力があるため、筆者が個人の主観を付け加える必要はなく、読者の判断を信頼すればよいのだと杜氏はいい、執筆の目的を「真実を知りたいと願う読者のために書いた」「一番大切なことは、餓死した人々を代弁すること、そして、このような惨劇を二度と起こしてはならないということだ」と語っている。

 杜氏は、長春包囲戦に関する情報や資料は中国当局が厳しく統制しているため、当時の戦略のかなめとなるような方策についてはどうしても入手できなかったことが悔やまれるというが、その一方で、自分にできることはすべてやりつくしたとも語っている。この本は、これまで長春包囲戦について公開された資料の大全集であると自負しているという。

 杜斌氏略歴:中国のフリージャーナリスト、作家。1972年3月1日山東省郯城県生まれ。ニューヨークタイムズ契約カメラマンとして活躍していた。独立中文ペンクラブの「林昭記念賞」を受賞。『天安門虐殺(天安門大虐殺)』、馬三家女子強制労働収容所の実態を記した『牙刷(歯ブラシ)』や『阴道昏迷 马三家女子劳教所的酷刑幸存者证词(膣喪心 馬三家女子労教所の虐待からの生還者による証言)』、『马三家咆哮(馬三家の咆哮)』、『天安门屠杀(天安門大虐殺)』、『上访者(陳情者)』、『冤鬼(冤罪で死んだ人の亡霊)』などを執筆しているほか、ドキュメンタリー映画『小鬼頭上的女人(獄卒の頭上の女性)』でも、馬三家労教所の実態を暴いた。13年5月31日、中国当局から不当に拘束され、37日間にわたり拘留されるという過酷な獄中体験をへたものの、人道精神を追求し、真実を模索し続ける真摯な姿勢に変わりはなく、このたび中国当局にとって「敏感な事件」である長春包囲戦を題材に取り上げた。

(翻訳編集・島津彰浩)

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