大紀元時報

ある日本人が教えてくれた、相手の長所を学ぶということ

2017年05月04日 15時00分
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 三辺さんは管理職たちが整列し終えたのを見ると前に進み出て、「今日みなさんに来ていただいたのは、みなさんのお力をお借りしたいと考えたからです。私と一緒に倉庫の片づけをしていただけますか」と言った。三辺さんの指示を仰ぎながら、私たちは1時間半をかけて倉庫に山積みになっていた半年分のゴミを全部片付け、不要な材料や廃棄物をすべて外に運び出し、まだ使えるケーブルなどを倉庫の一角に整頓した。すると、倉庫の1/3が空になったのだった。

中国人は聡明なはず 

 片付けが終わると、三辺さんはもう一度全員を整列させてこんな話を始めた。皆が昼休みを返上して働いたおかげで、半年近くため込まれたゴミを片付けることができた上、会社に倉庫を新築するための多額の資金も節約できた。だがそのことは重要なことではないのだと言った。「本気に何かをやり遂げたいなら、時間も作れるし、人も集められるし、資金も調達できるものです。倉庫が手狭だから新築が必要だと言ったけれども、なぜ誰にも倉庫を片付けるという発想がないのか。なぜ誰にも、在庫を減らそうという発想がないのか。なぜ誰も、倉庫を自分の目で確かめようとしないのか。それは、責任感がないからです。知恵を絞って解決方法を探したくないからです」

 「あなた方は人手が足りない、そんなひまはないと言いました。 時間がないと言ったのは、あなた方が責任転嫁に慣れ親しんでいるからでしょう。身に付けた『言い訳を探す』という悪しき習慣を断ち切らなければなりません。理屈を並べるのではなく、行動する必要があるのです。絶えず気を付けていれば古い習慣を捨て去り、新たな習慣を身に付けることは可能です。もう一度言います。習慣とは、教室で授業を聞いていれば習得できるものではありません。そうではなく、常にやり続けることで身に付くのです。ですから、これからはどんなことに遭遇してもまずはやってみることをみなさんにお願いしたい。その最中にも常に改善を続け、より完璧を目指していただきたい。そのようにして初めて、物事を成し遂げるという良い習慣が身に付くのです」

 最後に三辺さんはこう結んだ。「中国人は口ばかりで実行しない。私たち日本人は口に出したら実行する。だが一番賢いのはドイツ人です。彼らは実行してから「やった」という。中国人は聡明なはずです。私は、中国人がドイツ人のように、あらゆることをまずやってから口に出すという習慣を身に付けることができると信じています」

 このことは、会社の上層部や管理職の心を打ち、私自身の心にも深く刻み込まれるできごととなった。あれから22年の歳月が過ぎたが、今でも鮮やかに思い出すことができる。

 今日私がこのことを記したのは、すべての人々とこの話を分かち合いたいと思ったからだ。私は全ての同胞が、小さな賢さを備えるだけでなく、大きな知恵を身に付けることを念じてやまない。憎しみから相手をさげすむことは止めて、相手の長所を学ぼうではないか。

(翻訳編集・島津彰浩)

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