大紀元時報
臧山コラム

民族問題から見る「一帯一路」の難しさ

2017年07月15日 07時00分
2017年6月、カザフスタン人の住まう中国新疆ウイグル自治区伊宁市で、テントを背景に振り向く少女(Wang He/Getty Images)
2017年6月、カザフスタン人の住まう中国新疆ウイグル自治区伊宁市で、テントを背景に振り向く少女(Wang He/Getty Images)

 中国が新疆で行っている東トルキスタン独立運動鎮圧政策の主なターゲットはウイグル族だが、近年は他の民族に対しても弾圧の手を伸ばすようになった。同じようにトゥルク系の言語を持ち、イスラム教を信仰するカザフ族も、ウイグル族同様に当局の弾圧という大きな脅威にさらされている。

 現在、世界のほとんどの国が民族単位で構成され、昔の帝国のように周辺の異民族も取りまとめて統治する現代国家はごくわずかだ。中国は、そのわずかな国の1つだ。

 しかし中国の場合、共産党の一党独裁体制が行われた結果、それぞれの民族の文化や習慣にあわせて協調を重んじる政治ではなく、武力や権力で他民族に対して単一体制の圧政が敷かれるようになった。少数民族の弾圧は、新疆やチベット、内モンゴルなどの地域で特に突出している。

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 興味深いのは、カザフスタンが中国当局の進める「一帯一路」大プロジェクトの中で、最も重要な国の一つとして位置付けられているという点だ。北京の中央政府は、中央アジアの中核国家が中国へ敵意がむき出しになっている状況を受け入れることはできない。

 そのため、中央政府は新疆当局に対し、自治区内のカザフ人のグリーンカードとパスポートを返還するよう素早く通達し、カザフスタン内で高まっている中国に対する不満を解消させるよう求めている。

 一連の事件全体を別な視点から眺めてみると、中央政府の進める「一帯一路」構想の実現がいかに難しいものであるかが分かる。「一帯一路」で網羅される国の数は60カ国で、そのうち20カ国が重要国家に位置づけられている。一帯一路を実現させるためには、中国はどの国の機嫌も損ねるわけにはいかないのだ。

 中央政府が今後、この一帯一路構想の実現に向けて、どのような手綱さばきを取ろうとも、決して生易しいゲームにはならないだろう。

(翻訳編集・島津彰浩)

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