【動画】唐辛子スプレーをお試しで顔面噴射 どうなる?

2018/03/26
更新: 2018/03/26

中国ネットである動画が話題だ。公安当局の「秘密兵器」といわれる、ある液体の入ったスプレーを興味本位か、自分自身に試した若い公安員の身に起こったことは-。

北京市海淀区にある地下鉄10号線の巴溝(はこう)駅の改札で、公安員が、騒動鎮圧用に所持している秘密武器「唐辛子スプレー」を、興味本位によるものなのか、自分自身に試してみたという。

公安員は顔面の激痛のあまり、もだえ苦しみ、叫んだり、膝を叩いたりした。改札付近から立ち去る様子が映し出された。

唐辛子スプレーは、警察当局が護身用や暴力的活動の鎮圧のために所持することがある。中国のほか米国やカナダの武装警察も所持するケースがある。

中国版ウィキペディア「百度百科」によると、唐辛子スプレーには、辛味成分「カプサイシン」が高濃度で含まれている。顔面に吹きかけられた人物は、発汗、強心作用、咳と涙により、動きが制限される。呼吸困難が数分続き、目は一時的に失明する場合もある。

中国では尋問や拷問でも使用される 唐辛子スプレー

米国で唐辛子スプレーを40年作り続ける老舗メーカー「Sabre(セイバー)」によると、警察による騒動鎮圧や女性が性犯罪に対する護身用に携帯するなどを、製品の用途としている。しかし、中国共産党政権下では、収容所に勾留された囚人らに対して、尋問や拷問の際に使用されていると、家族らの証言から明らかになっている。

最も知られたケースは、カナダ国籍で中国出身のビジネスウーマン、孫茜さん(51)だ。彼女は、中国の新興市場に株式上場する上位50社の一社、利徳曼(リードマン)生物化学公司の創業者で副会長。中国長者番付「胡潤レポート」2016年では、資産35億元以上で上位1189番に名を連ねた。

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孫さんは北京とバンクーバーを行き来する生活を送っていたが、2017年2月19日、当局が迫害する伝統修練法・法輪功を学んでいるとして、北京の自宅で、警察により法的許可も提示もなく強制連行された。

ミス・ワールドのカナダ代表で人権派女優アナスタシア・リンさんは同年7月、自身の公式Youtubeアカウントで、孫茜さんの母親から、娘が拘束され、収容所で残忍に拷問されているとの内容を綴った手紙を受け取ったことを明かした。

「孫茜さんは北京第一収容所の独房にいます。手錠を手首と足首にかけられています。看守は、孫さんに唐辛子スプレーをかけたのち、服を2週間は変えさせず、頭に袋を掛けたりしたのです。その痛みが長引くように…」。

 

アナスタシア・リンさんは署名サイト「Change.org」で、孫茜の釈放を呼びかける署名活動を行っており、2018年3月までに4万人がサインした。

2018年3月、孫さんの家族らが大紀元に語った話によると、孫さんの裁判を担当した弁護士2人がこのたび、辞退した。

中国全土で迫害政策が敷かれている法輪功の関連裁判では、請け負う弁護士は極めて少ないとされる。中国共産党当局は2015年7月、200人あまりの人権派弁護士や事務所関係者を大量に拘束し、勾留した。

クリスチャンの人権弁護士・高智晟氏は、2017年3月、新唐人テレビの取材を受け、共産党統治下ではすべての中国人が天井のない牢獄で暮らしているようなものだと述べた。

「13億の中国人が牢獄に囚われているようなものだ。個人の人権や人道的観念から言っても、ここは牢獄。この邪悪な制度を変え、中国人が正常な生活を送り、文明に回帰することが私の願いだ」

高弁護士は、強制土地収用や弱者支援裁判などを担当し、かつて中国司法省から「中国で最も傑出した弁護士10人」のひとりに選ばれた。しかし、2004年、法輪功迫害は不当だと当局に陳情して以後、高氏に対して強制連行や自宅軟禁、行動の監視など、嫌がらせが続いている。

(編集・佐渡道世)

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