大紀元時報

海外農地を狙う中国 農業分野での投資が6年で5倍に

2018年04月27日 16時39分
先進技術のほか、中国共産党は海外の農地の買収を進めている(Anton Want/Allsport)
先進技術のほか、中国共産党は海外の農地の買収を進めている(Anton Want/Allsport)

この数年、中国当局はチャイナマネーの流出を防ぐために、海外投資を規制している。いっぽうで、海外の食糧マーケットへの投資は実際、強く推奨している。

中国政府は2017年8月、中国企業の海外不動産投資の新ルールとして「禁止」「抑制」「推奨」の3つのカテゴリーを導入した。「禁止」はカジノや軍事関連、「抑制」はホテルや住宅開発、「推奨」は農業やインフラ整備が含まれる。つまり、外国の農地取得は推奨している。

さらに、国の食糧自給自足率の基準を緩めて、中国企業が国内の輸入農産品のサプライチェーン拡大に関わるよう推進している。中国農業部(農務省)によれば2017年、農産品の輸入は10年前の3倍となる1250億米ドルになった。

こうしたアグリ計画は、すでに10年前に発表されていた。2007年に公布された、中国共産党政権の農業政策「第一文書」には、具体的な外国投資戦略が含まれている。

文書発表後にはさっそく、海外農業投資のベンチャー企業が誕生した。2010年には、中国当局は海外投資を促進するための支援政策をまとめた。

2014年には、当局はアグリビジネスに関わる巨大企業を作るとの指針を出した。これは、国営企業・中糧集団(COFCO)がニデラとノーブルを買収した時期だ。数兆円の買収劇により、COFCOは世界最大級の貿易商社の一つとなった。

2015年、海外で農業生産をスタートする中国企業に対して、設備と導入の支援を決めた。2017年は、すべての農林水産にかかる企業の支援するとした。

そして2018年、海外農業投資の再びの推奨と、穀物取引など多国籍アグリビジネスに関わる大企業の創設に関する指針を出した。

中国主導の世界大規模開発構想「一帯一路」にも、アジア、アフリカ、東ヨーロッパを対象とする農業投資、技術援助、農林水産品の貿易について言及されている。

プロパガンダで盛り上げ 海外農業投資の推奨

中国の農業分野における対外投資に関する報告は、英語メディアと英文レポート、そして一部地域の報告に過ぎなかった。 しかし、最近では中国語の報道や研究報告、言及が多く出ている。これは、中国政府の海外投資農業政策を推奨していることとリンクしていると見て取れる。

中国農業部(農務省に相当)によれば2016年、1300以上の中国企業が100以上の国と地域の農林水産分野に計33億米ドル(約3400億円)投資した。その額は、2010年比で約5倍になったという。

この数字は「製造・サービス業」カテゴリ-に分類される、農作物や水産品の食品加工や貿易会社の買収を含んでいないため、このたびのUSDAの報告である計260億米ドル(約2.7兆円)とは、10倍近い差があり、中国側は過小評価している。

米国農務省(USDA)は報告の中で、中国共産党政権は、農林水産分野の投資を増加し貿易戦略で有利に立ち、全世界でマーケットの影響力を拡大させていると警告した。

(編集・佐渡道世)

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