「偽善だ」トランプ弁護団が弾劾裁判で反撃 民主党議員の過去の問題発言動画流す

2021/02/14
更新: 2021/02/14

トランプ前大統領の弁護団は12日(日本時間13日)の弾劾裁判で動画を流し、弾劾を支持する議員たちを偽善だと非難した。流された動画は、議員たちがトランプ氏への攻撃について話し、彼の支持者を脅迫し、昨年の夏に全国各地で起こった暴動を支持する場面を集めたものだった。

トランプ氏にとって2回目となる今回の弾劾裁判では、12日に初めて弁護団による弁護が行われた。弁護団は初めから攻撃を展開し、多くの保守派が推進する戦略を繰り広げた。

マイケル・ヴァン・デル・ヴィーン(Michael van der Veen)弁護士は、トランプ氏は1月6日の連邦議会議事堂の侵入事件前に何の扇動的な言葉も使っていなかったが、逆に多くの議員が暴力を呼びかける言葉を使ったと主張した。

「ナンシー・ペロシ下院議長(民主党・カリフォルニア州)は、2016年の選挙はハイジャックされており、議会には民主主義を守る義務があると言った」とヴィーン弁護士は述べた。「彼女はまた、大統領を詐欺師、そして裏切り者と呼び、最近では下院の共和党議員らを『内部の敵』と呼んでいる」

「さらに、民主党の政治家の多くは、昨年夏に米国の多くの都市を破壊した暴動を支持し、奨励した」と彼は付け加えた。「暴力的な左翼無政府主義者たちが、オレゴン州ポートランドの連邦裁判所を荒らしていた時、ペロシ議長はそれを反乱とは呼ばなかった。暴徒が公共物を破壊した時、彼女は『人々がこのような事をするのは仕方ない』と言った」

昨年、全国の主要都市で暴徒が店舗を荒らし、政府や民間の建物に深刻な被害を与えた。暴徒の一部は、反政府・共産主義組織の「アンティファ」や「ブラック・ライブズ・マター」に所属していた。

トランプ氏のもう一人の弁護士、デイビッド・ショーン(David Schoen)氏はその後、ペロシ議員らが扇動的なコメントをしている動画を再生した。

2018年、不法移民の子どもたちが親から引き離されたことに怒ったペロシ議員は、「なぜ全国で暴動が起こらないのか分からない。これが自分たちが支持する政策だと気付いたら、暴動は起こるかもしれない」と記者団に語った。

また、様々な場面で彼女は「パンチする準備ができていなければならない」と話した。

ペロシ議員の事務室にコメントを求めたが、回答は得られなかった。

2021年2月11日、ワシントンで行われた記者会見で話すナンシー・ペロシ下院議長(民主党・カリフォルニア州)(Olivier Douliery/AFP via Getty Images)

アヤナ・プレスリー下院議員(民主党・マサチューセッツ州)は昨年、メディアに対して、「私たちの生活に不安がある限り、通りには暴動が必要だ」と述べた。

カマラ・ハリス副大統領は、殺人、凶悪犯罪、そして性犯罪で起訴された被告の保釈を支援する「ミネソタ・フリーダム・ファンド」への寄付を呼びかけていた。

そして、バイデン大統領と多くの上院議員らは、トランプ氏を「ぶん殴る」ことについて何度も群衆に話していた。

ショーン弁護士は、動画に示された「憎しみと怒り」によって、下院の弾劾責任者たちは「自らの言動を無視し、危険な二重基準を設けた」と述べた。

「下院の弾劾責任者たちは、(トランプ氏の)絶え間ない激しい言葉について言及した。では、彼ら自身(弾劾責任者たち)の言葉をお見せしよう」とショーン弁護士は述べ、動画の続きを流した。

弾劾責任者たちは、1月6日にトランプ氏が支持者らに「死に物狂いで戦う」と言ったことが、連邦議会議事堂への乱入事件の一因となったと主張した。ショーン弁護士はその後、民主党議員たちが以前にも同じような表現を使ったことがあることを示した。

ショーン弁護士は議員らを指差し、「あなたたちは全員、一人一人、(このような発言をしても)悪い事をしたことにはならない」と述べた。

「これは人々がよく使う言葉だ。偽善はやめてほしい。あなたたちは暴動が起こっていた去年の夏に語気を和らげたのか?あなたたちは暴徒を非難したのか?それとも、『人々がこのようなことをするのは仕方ない』と言ったナンシー・ペロシ議長に同調したのか?」と彼は尋ねた。

上院議員たちは動画が流れる中、つぶやいたり、何人かは互いにメモを渡し合っていた。ジェイミー・ラスキン下院議員(民主党・メリーランド州)は、自分が2017年の選挙結果に異議を唱えている場面が動画で流れると、多くのメモを受け取った。また、動画に自分が現れたのを見て、声に出して笑ったり、目を回したりする議員もいた。

リチャード・ブルメンソール上院議員(民主党・コネチカット州)は動画が流れた後に記者団に対し、「彼らは危険で歪んだ比較をしている」と語った。「これは単に、トランプ氏が暴徒をワシントンに招いた事から注意をそらしている」

ボブ・ケイシー上院議員(民主党・ペンシルベニア州)は、「議員たちが『戦う(fight)』という言葉を使う事と比較するのは適切ではないと思う。大統領が暴力を奨励し、暴力に対する非難を拒否した多くの公の記録があるからだ」と述べた。

上院は13日(日本時間14日朝)、トランプ前大統領に無罪の評決を下した。

(大紀元日本ウェブ編集部)

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