大紀元時報

高智晟著『神とともに戦う』(21) 夫人が見た高智晟(3)

2021年04月01日 06時00分


 彼らの中には、はるばる地方から物乞いをしながら新疆の「高青天(高智晟に近い発音で、清廉なる高弁護士の意)」を訪ねて来る者もいた。食事時になると、高智晟弁護士も彼らと同じ物を食べるのだった。

 高智晟はこう話したことがあるという。「誰であろうと、僕の所に来さえすれば、僕は必ず道を示す。一筋の希望を与えるために。僕の所が彼らにとって、袋小路になってはいけないんだ」

 耿和は、「高智晟の愛はとりわけ豊かなんです。新年など祝い事の際、家で美味しい物を食べたり、娘が新しい靴や服を下ろしたりすると、高智晟は自分の幼い頃や家の外の貧しい人に思いをはせるんですよ」と苦笑する。

 耿和と高智晟は以前、出勤途中に物乞いを見かけた。この物乞いは毎日「仕事熱心」で、そこに座り二胡を引いてはお金を恵んでもらっていた。高智晟はある時、その物乞いに金を恵んだ。耿和は「あの人、毎日あそこに座っているじゃない。あなた、毎日あげられるとでもいうの」高智晟は「そんなに深く考えるな。僕たちは幸せなことに、恵むだけのお金があるのだから」

 ウルムチから北京に移った高智晟の自宅は、北京の金保花園にあった。目の前には歩道橋があり、そこにはいつも物乞いの姿があった。ある年の中秋の名月、ぶらりと散歩して戻って来た高智晟は帰宅すると、「格格(娘の名、音訳)、あの2人の物乞いにそれぞれ20元ずつ渡しなさい。そして、『今日は中秋の名月だから、月餅を買って食べてください』と言うんだよ」と娘に40元を与えた。娘がお金を渡すと物乞いは、「お嬢ちゃん、間違いだよね。何でこんなに多く…」と戸惑いを隠せなかった。娘は、「間違っていないわ。お父さんが『このお金で月餅を買って食べてください』って」と答えた。

 ある日、物乞いを見かけた娘は母にお金をねだった。耿和は、「物乞いはきっと、悪い人に指図されているの。お金を上げたら、もしかして悪い人に持って行かれちゃうかもしれないでしょう」と諭した。だが、娘は食べ物を物乞いに恵むよう、母にすがり続けるのだった。

 「とても心優しい子でね。これもみな、父親のせいなんです」と耿和は笑う。

 耿和は、神が夫にさずけた役をこう解釈する。「夫は心底彼らを愛しているんです。彼らの苦難を自ら背負い、自分の物すら分け与えてしまいたいほどに。生まれ付きの性分だから、変えようもないんですね。夫に選択の余地がないどころか、本人に選ばせても恐らくこの道を歩むことでしょう」「彼は弁護士という仕事を愛しているんです。社会も彼のような弁護士を必要としています。夫にこの仕事を続けさせましょう。より多くの人が救われるために」

 (続く)
 

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