【ほっこり池】東京湾のサカナ

 日本人は、昔から魚が大好き。魚に大恋愛をするあまり、その道の専門家になってしまった「さかなクン」の気持ちがよく分かります。

 私は東京の生まれなので、決してきれいとはいえない東京湾を、これが海だと思ってつきあってきました。東京湾でハゼを釣り、アサリを掘り、カニを追いかけて遊んだのは楽しい思い出です。しかし、昭和中期の高度経済成長期のころ、すさまじい公害によって、空気も川も海も、汚れに汚れました。東京湾は真っ黒。臭気もひどく、本当にヘドラが飛び出してくるかと思ったものです。

 それでも、釣ったハゼを天ぷらにして食べていました。今でこそ少なくなりましたが、江戸前のスズキやアナゴを獲る漁師さんも、まだいます。

 そんな東京湾に比べりゃ、福島県の海のほうが絶対きれいだろうと、あっしは思うのでござんすがねえ。

(慧)