大紀元時報

【ほっこり池】夏来にけらし

2021年5月3日 06時00分

 春過ぎて夏来にけらし白妙の衣干すてふ天の香具山(新古今)

 歌意「春が過ぎ、いつの間にか夏が来ていたようですね。夏には白い衣を干すと聞く天の香具山に、あのように白いものが見えていますから」。

 和歌に優れ、政治にも有能な女帝であった持統帝(645~703)の歌。初出の『万葉集』では第4句が「衣干したり」となっています。おそらく帝自身が主導して整備した藤原京から、香具山に白衣が干してある実景を見ていたのでしょう。それから五百年後の鎌倉時代に編纂された『新古今和歌集』では「衣干すてふ」という伝聞の表現になっています。

 ところで持統帝は「あら、白い洗濯物が干してあるわ」などの世間話が言いたくて、この歌を詠んだのでしょうか。

 いや、そうではなく、これは国見(くにみ)ですね。彼女は日本の統治者なのですから。

(慧)                                                            

 

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