トランプ氏、起訴は「司法の武器化」…2024年米大統領選に意欲

2023/03/31
更新: 2023/03/31

トランプ前米大統領はニューヨーク州大陪審に起訴されたことについて声明を発表した。起訴は「政治的迫害と選挙干渉」「完全に無実だ」と述べ、自身の2024年大統領選挙の活動を続ける意向を示した。議会共和党幹部も民主党による司法制度の武器化だと非難している。

トランプ氏は、自身が運営するトゥルース・ソーシャルで「私が大統領に就任する前から、労働者たちの敵である過激な左派民主党員たちは『米国を再び偉大にする』運動を壊滅させるため、魔女狩りに勤しんでいる」と書いた。そしてロシア疑惑、ウクライナとの関与、大統領職の弾劾追及、私邸捜査など、数々の民主党政権の取り組みを列挙して批判した。

トランプ氏の代理人ジョセフ・タコピナ弁護士は、マンハッタン地区のアルビン・ブラッグ検事主導の捜査によって大陪審がトランプ氏を起訴したことを確認した。ブラッグ氏の事務所によれば、2016年の大統領選挙前、不倫相手とされるポルノ女優ストーミー・ダニエルズさんへ13万ドルの口止め料を弁護士を通じてトランプ氏が支払ったとされる疑惑を捜査している。

トランプ氏は関与を否定しており、ブラッグ氏の事務所が投資家ジョージ・ソロス氏の支援を受け設立されたと強調した。

トランプ氏の声明で「これ(大統領経験者の起訴)はわが国の歴史上初めてのことだ。民主党は何十年にもわたって何度もごまかしを続けてきた。断然有力な共和党大統領候補である対抗馬(トランプ氏自身)を罰するために、司法制度を武器化した」と語気を強めた。

共和党幹部も相次ぎ批判のコメントを出している。マッカーシー下院議長は「われわれの神聖な司法制度を武器にした」と指摘。党下院指導部のエリス・ステファニック氏は「政治的な魔女狩りであり米国にとって暗黒の日」と喩えた。有力なタカ派議員のリック・スコット上院議員やテッド・クルーズ上院議員も強い言葉で非難している。

共和党大統領選有力候補として目されるフロリダ州のデサンティス知事もまた、トランプ氏起訴を非難。詳細には触れずに「司法の武器化」の観点から批判した。

トランプ氏は24年大統領選の共和党最有力候補だ。27日発表のロイター通信とイプソスによる世論調査では共和党員の44%の支持を得ている。次点でデサンティス氏の30%だ。しかしデサンティス氏はまだ出馬を正式に表明していない。

起訴を受けて、トランプ氏の資金調達団体トランプ・セーブ・アメリカ共同資金調達委員会は支援者に電子メールを送り、さらなる献金を呼びかけた。メールによれば、トランプ氏は起訴について「左翼による陰謀の証拠だ」と主張したという。ロイター通信が伝えるアナリストの見解では、起訴は第1四半期の献金に有利に働くとみている。

エポックタイムズは、コメントのためにマンハッタン地区検察官事務所に連絡を取った。

大紀元日本 STAFF
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