オピニオン 天体物理学者や航空宇宙技師による新しい研究が、「科学的に空虚な」温暖化ナラティブを弱体化している。

「無条件、無批判に」気候変動を主張する時代は終わった (1)

2023/11/21
更新: 2023/11/20

ニュース分析

新たな複数の科学論文によって、気候学者の中で主流となっている温暖化仮説は攻撃を受けている。

これらの論文の著者たちは「新しい発見に脅威を感じている活動家科学者らが、それらの論文や著者たちの科学的信用を傷つけようと、偽情報を広めるなどの積極的で組織的なキャンペーンを展開している」と述べた。

実際、ソーシャルメディアでの侮辱や猛烈なブログ投稿にはじまり、情報公開法(FOIA)を利用した、ジャーナル編集者や連邦科学者に対する電子メールの提出要求まで、論争は熱くなっている。

エポックタイムズの取材に応じた何人かの科学者は、温暖化仮説を唱えていた気候学者たちが使っている戦術にショックを覚えたと表明している。

その戦術とは、公式の気候ナラティブ(ストーリー)に対して、最新の研究を踏まえた新たな疑問を投げかけた人々に対するものである。

プリンストン大学の物理学名誉教授で、トランプ大統領の気候元顧問であるウィリアム・ハッパー氏は、新しい調査結果には驚かなかった。

ハッパー氏は「気候カルトは、科学的にどれほど正しいとしても、政治的には正しくないとして、それらの情報を否定するだろう」とエポックタイムズに語り、新しい発見は重要かつ妥当な指摘であると述べた。

温暖化仮説を叫んでいる気候活動家が非常に動揺している理由は、新しい論文(天体物理学者のウィリー・スーン氏と世界中の数十人の科学者による3本の査読済み研究)の発見が「人間の活動が活発になるにつれて、二酸化炭素(CO2)等の『温室効果ガス』が大気中に放出され、地球全体の平均気温が上昇している」というような人為的な要因による地球温暖化のナラティブ(ストーリー)に新たな疑問を投げかけているためだ。

さらに、これらの論文の著者たちは、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)に対しても「IPCCは、より一般的な気候科学のみならず事実を無視している」と述べており、複数の科学者が「気候変動のナラティブに既得権益を持ち、納税者からの資金提供を受けている科学者たちが、新しい研究を攻撃するために使ったレトリックは、非常に非科学的である」とエポックタイムズに語っている。

例えば、ペンシルベニア州立大学の大気科学教授マイケル・マン氏は、X上で、新しい論文の著者たちを「気候否定派のグループ」と非難し、英国気象庁のガレス・S・ジョーンズ氏は、新しい研究を「ナンセンス」と嘲笑し、ジャーナル誌『Climate』の特集号のゲスト・エディターであるネッド・ニコロフ氏を「他の気候反対派が距離を置くほどの評判が悪い」と非難している。

ニコロフ氏は、以前、温室効果ガスではなく大気圧が、地球や他の天体の温度に主要な役割を果たすと主張する論文を執筆していた。

新しい研究への攻撃はX上だけではない。

NASAゴダード宇宙科学研究所の所長であるギャビン・シュミット氏は、情報公開法を利用して、ニコロフ氏と情報交換している科学者たちとのすべての電子メールを提出するように要求した。

シュミット氏は、著者の一人であるグリーンピースの共同設立者パトリック・ムーア氏を嘲笑し、ムーア氏の投稿を高度に編集したものをソーシャルメディアに投稿する前に、X上で「多くの中傷が飛び交っている」と述べた。

「スーン氏らが(2023年)発表した最新の逆張の群衆を喜ばせる記事は、スーン氏と彼の同僚が何十年にもわたって使ってきた「太陽がそれをやった」ことの繰り返しであるにすぎない」と、連邦政府の給与が年間ほぼ20万ドルであるシュミット氏が主張した。「文字通り、太陽の下に新しいものは何もない」

(続く)

(翻訳・大室誠)

受賞歴のある国際ジャーナリスト、教育者、作家、コンサルタント。フリーランス寄稿者として、エポックタイムズに記事を掲載している。共同執筆した著書に『教育者の犯罪:米国の子供を破壊するために夢想家らはいかに官立学校を利用しているのか』など。米国内外のさまざまな出版物に寄稿している。
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