「WHOから命を守る」識者やワクチン被害者遺族が国民運動を宣言(下)

2024/05/15
更新: 2024/05/21

国内政策は言論統制に前のめり

WHOの権限強化に繋がりかねないとして懸念されているパンデミック条約の草案は、2年にわたって修正が繰り返されている。4月22日に出された条約の草案では、言論統制に利用されかねない「偽情報対策」条項は削除された。

近現代史研究家の林千勝氏は「パンデミック協定、改定IHRの最終的な姿は、現時点でも流動的と言わざるを得ません。賛意を表しているのはごく少数の国々です。INB(政府間交渉機関)の共同議長も60カ国弱というふうに吐露しています」と会見で指摘した。

しかし、来月の閣議決定が予定されている「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」の大幅改定によって、政府は「偽・誤情報」のモニタリングを行う方針を示しており、言論統制につながりかねないとして懸念されている。

4月24日から5月7日にかけて実施された同計画案に関する意見募集(パブリック・コメント)には、19万件近い意見が寄せられた。新藤義孝・感染症危機管理担当大臣は10日の記者会見で、「これらの意見のうち賛否どちらが多いのか」という質問に対し、「パブリックコメント自体は国民の賛否を問うものではない」と答弁した。また、「パンデミック条約およびIHR改正に合わせた国内法整備の一環か」との質問に対しては「所管が違う」と答弁した上で、行動計画の改定は「粛々と進めていかなければならない」と示した。

大阪市立大学医学部名誉教授の井上正康氏は新藤大臣のこの発言を引き合いに出し、「世界中がWHOの影響を強く受けているなかで、日本はWHOの政策を牽引していく先導的な役割を果たしている」と指摘した。林氏も「条約案から消えた『インフォデミック』という言葉を日本政府が復活させています。これは偽・誤情報対策と称する言論統制の構築です」と訴えた。

「インフォデミック」の危険性

ワクチン被害者遺族やワクチンハラスメントで苦しむ人々の相談窓口「特定非営利活動法人 駆け込み寺2020」代表の鵜川和久氏も会見に参加した。鵜川氏は、先月17日にワクチン被害者や遺族ら13人が国を相手取って起こした集団訴訟の内容を引き合いに出し、言論統制の危険性を呼びかけた。

「訴訟の内容に、2021年6月のワクチン担当大臣と『はじめしゃちょー(人気ユーチューバー)』とのコラボ動画があります。動画の中で大臣は『2億回打って死者は0』と公に話しています。一方、ワクチンが危険だと伝える動画は一発で消されていく。この不条理が非常に目立ったこの2年3年でしたが、今でも続いていると思います」

「政府が都合の悪い情報を出さなかったことで被害がかなり拡大しているのではないか、というのが訴訟の内容でした。『インフォデミック(正しい情報と誤情報が混在している状況)』として取り締まりが行われれば、これからも正しい情報が取れなくなります」

鵜川氏は、「政府が都合の良い情報しか流さないことで起きた偏り」の例として、ある監察医が接種2日後に亡くなったワクチン被害者の遺族に暴言を吐いた事例を録音証拠とともに提示した。監察医は遺族に対し、国を相手取った訴訟を起こさないよう諌めた上で、「あんたがご主人にできることは念仏を唱えるだけ」と言い放ったという。

「命に関わる情報にフィルターをかけるようなメディアの統制には断固反対するという意味で立ち上がらせていただきました」と鵜川氏は述べた。31日に日比谷で開催される集会に関して、「国民の皆様に真実を伝える大規模集会であって、デモを絶対に成功させなくてはならない」と意気込みを語った。

パンデミックのシナリオ

この日の会見で特に注目を集めたのは、ノンフィクション作家の河添恵子氏が証拠資料を交えて行なったプレゼンテーションだった。

2024年5月13日午前、東京・霞ヶ関の厚生労働省会見室にて「大規模国民運動に関する記者会見」が開かれた。左から「特定非営利活動法人 駆け込み寺2020」代表の鵜川和久氏、ノンフィクション作家の河添恵子氏、大阪市立大学医学部名誉教授の井上正康氏(白露/大紀元)

「WHOのパンデミック条約は『プランデミック』をやりたい条約なんです。これからプランを立てて、いつでもいろんなところを潰していける。それが彼らの目的だということが分かると思います」

1720年にはペスト、1820年にはコレラ、1918年から1920年にかけてスペインかぜ、そして2020年には武漢肺炎と、100年毎にパンデミックが発生してきたことを指摘し、20世紀初頭にロックフェラー財閥が石油由来の化学薬品による対症療法という医療のあり方を確立したことにも言及した。

そして、1992年4月発行のエコノミスト誌の表紙を引き合いに出し、遺伝子ワクチンの登場が当時からほのめかされてきたことを説明した。表紙には、DNAを運ぶワクチンの絵とともに「Changing your genes(あなたの遺伝子を変える)」とある。

さらに河添氏は、「ロックフェラー財団が2010年5月に出した報告書『技術と国際開発の未来のためのシナリオ』がコロナ禍以降に話題になりました。その18ページ目にロックステップというものがあります」と続けた。

ロックフェラー財団が報告書の中で例示した未来のシナリオ「ロックステップ」では、「トップダウンの政府統制が強化され、権威主義的なリーダーシップが強まり、イノベーションが制限され、市民の反発が強まる世界」が描かれている。

河添氏は、2020年のコロナ禍でまさにその通りのことが起こったと指摘した。「2020年以降だったら、『これ今まで起きたことじゃん!』と分かると思うんですが、2010年当初からもう計画されていたということです」

さらに、このシナリオが出てきて以来、米国や中国で「パンデミックが起きるというシミュレーション」が行われてきたことを、河添氏は実例を挙げて説明した。例えば、武漢で新型コロナウイルス感染症(当時は謎の肺炎とされた)が報告される2ヶ月前の2019年10月18日には、ニューヨークで会議「イベント201」が開催され、壊滅的なパンデミック事例をシミュレーションしていた。

「2030アジェンダ」で管理社会へ移行か

なぜこのようなことが起きるのか。河添氏は国連と世界経済フォーラムが2019年6月に締結した「2030アジェンダ」の戦略的パートナーシップに言及した。「世界経済フォーラムは、社会問題の発生を予測し、事前に対処する。これは管理社会だと私には分かっていました。簡単に言えば『グレートリセット』ということです」

ジャーナリストのアレックス・ニューマン氏は以前から、エポックタイムズの番組で同様の懸念を表明していた。ドキュメンタリー『農家なくして食料なし 虫なら食べますか?』でニューマン氏は、「2030アジェンダ」および同行動計画に盛り込まれた「持続可能な開発目標(SDGs)」について次のように指摘していた。

「SDGsを実装し、追跡と監視を行うには、個人の自由を抹殺するしかない。例えば『飢餓を終わらせる』などの漠然とした目標を達成するには、国家権力を総動員するしかない。無謀だ。地球上から貧困を根絶する方法などない。ところが、政府や国連のようなグローバル機関は『目標達成』を言い訳にやりたい放題できる」

「実際動いているのは世界経済フォーラムや国連、WHO、そしてブラックロック」と河添氏は指摘した。資産運用会社であるブラックロックは「ファイザーやモデルナの大株主」でもあるという。「岸田首相はアメリカに行く前にブラックロックのトップ、ラリー・フィンクと会っていることも事実です。我々は完全に支配・被支配の関係にあります」

林氏は最後に、「『幸せなら手をたたこう、幸せなら態度でしめそうよ』という歌がありますが、我々は気づいたなら、反対するなら、抗うなら、態度で示さなければなりません」と訴え、月末に控えるデモ集会への意気込みを語った。

「この厚労省記者会見室から全国の皆様に、5月31日正午、日比谷野音にお集まりいただくよう、改めて呼び掛けさせていただきまして、国民運動をここに宣言いたします。日本のため、世界のため、どうかよろしくお願いいたします。ありがとうございました」

大紀元報道記者。東京を拠点に活動。
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