欧米人に敬遠されるアジアの珍味

食生活は地域性が強く、ある地域において珍味とされる食べ物が他の地域の人にとっては近づくのも嫌なものになるケースがあります。以下に挙げるアジア地域の珍味は、ほとんどの欧米人にとって苦手なもののようです。

ドリアン

ドリアン

ドリアンは東南アジアのマレー半島原産のフルーツ。果実は強い甘味を持ち、栄養豊富なため「果物の王様」と呼ばれている。しかし、飛行機への持込みが禁止されるほど臭いは強烈だ。ホテルや公共の建物でも、ドリアンの持ち込みを禁止している場所は多い。

納豆

納豆は大豆を納豆菌で発酵させた食品で、日本では全国どこでも容易に手に入れることができる。上質なタンパク質源となるほか、食物繊維が豊富で病原性大腸菌やサルモネラ菌に対する抗菌作用もあるため、腸内環境を整えるのに有用な食品。発酵食品なので臭味が若干あり、欧米人にはなかなか受け入れられないようである。

亀苓膏

亀苓膏(きれいこう)は日本では亀ゼリーと呼ばれる。カメの腹甲、ドブクリョウ(土茯苓)などの生薬から作られたデザートのような薬膳で、中国南部の香港、広東省、広西チワン族自治区で食べられている伝統食品である。僅かだが生薬の味がするため、欧米人の口には合わないようだ。

コピ・ルアク

コピ・ルアクとは、ジャコウネコの糞から採取される未消化のコーヒー豆で作ったコーヒーのこと。日本ではルアック・コーヒーとも呼ばれる。主にインドネシアの島々で作られ、フィリピンや南インドでも僅かに採取されるが、産出量が少ないため世界で最も高価なコーヒーとして知られている。500グラムにつき300から500米ドルで販売されている。独特の香りを持つが、「動物の糞から採られたコーヒー豆から作った」という部分が欧米人には受け入れがたいようだ。

モミジ

モミジ

モミジとは鶏の足のことで、中国では鳳爪(フォンジャウ)と呼ばれ、酒のつまみなどになる珍味である。アジア地域以外でもメキシコや南アフリカ、ペルーなどで食べられているが、北米やヨーロッパの国々ではあまり好まれないようだ。

燕の巣

燕の巣は中国語で燕窩(えんか)という。東南アジア沿岸に生息するアマツバメの唾液腺の分泌物でできた巣で、中華料理、特に広東料理の高級食材として使われている。ゼリー状の独特の食感が特徴である。タンパク質と多糖類が結合したムチンが主成分で、古くから美容と健康に良いと言われ、清の西太后も連日のように食したと伝えられている。「ツバメの唾液でできた食材」と聞くだけで、口に入れられない欧米人が多いようである。

バロット

バロットまたはバロッ(フィリピン語)とは、孵化直前のアヒルの卵を加熱したゆで卵のこと。フィリピン以外にも中国、ベトナム、カンボジアなど東南アジアの広い地域で食されている。中国では毛蛋(マオタン)、広東語では鴨仔蛋(アープザイダーン)などと呼ばれるが、バロットは欧米人だけでなくアジア人でも食べられない人が多い。

皮蛋

皮蛋(ピータン)はアヒルの卵を強いアルカリ性の条件下に置き、熟成させて製造する中国の食品。鶏卵やウズラの卵で作られる場合もある。高級品は白身の表面にアミノ酸の結晶による松の枝のような紋様が付くことから、松花蛋と呼ばれる。アンモニアや硫化水素を含む独特の匂いと刺激的な味を持つため、欧米人には嫌われているようである。

ハブ酒

蛇のお酒

蛇のお酒は、東南アジアでは強壮剤や薬として飲まれている。毒蛇のハブをお酒に漬け込んだハブ酒は、沖縄土産としても有名だ。お酒の中にハブがどっしりととぐろを巻いている様は欧米人の目には恐ろしく映るようで、飲むどころか近づくのも怖いという感想もよく聞かれる。

蜂の子

蜂の子はクロスズメバチなどの蜂の幼虫(蛹、成虫も一緒に入れることもある)で、日本では長野県、岐阜県、愛知県、静岡県、山梨県、栃木県、岡山県、宮崎県などの山間部を中心に、各地で食用とされている。欧米人にとっては、見た目で良い印象を持てないうえに食感も好ましくない食べ物のようである。

 

蛹(さなぎ)とは、昆虫が成虫になる寸前に採取される、成虫に似た形の幼虫のこと。世界の多くの地域で食材として使われているが、アジアでは特にカイコの幼虫を食べる習慣がある。韓国の屋台やレストラン、居酒屋で売られているポンテギは、カイコの蛹を茹でて、あるいは蒸して味付けした人気のおつまみ。特有の臭いがあり、慣れない人には食べづらい。欧米人で挑戦する人は少ないだろう。

クモのフライ

クモのフライ

クモのフライはカンボジア料理のひとつ。カンボジアのスクンを訪れる観光客の間では、クモを油で揚げた料理が名物のひとつとなっている。カンボジアではどこでも食されているが、特にスクンで人気が高い。欧米人だけではなく、アジア人でも食べられない人が多い。

その他、馬刺し、白子、フグの刺身、マグロの眼玉、イカの塩辛、タコの踊り食い、エビの酒漬けなどの珍味に対しても、抵抗感を持っている欧米人は少なくない。

(翻訳編集・東方)