妻トラに先立たれた父トラ 4頭の子トラを世話

自然界では、多くの動物は母親だけで育てられ、父親はほとんど関与しません。 しかし、インドトラ保護区では、雌の死後、4頭の子トラの世話を引き受けた雄のトラがいます。野生動物の専門家によると、このような行為は「珍しい」とのことです。

ヒンドゥスタン・タイムズ紙によると、マディヤ・プラデーシュ州北部のパンナ・タイガー・リザーブで5月15日、4頭の子トラの母親が、子トラが生後8カ月のときに急死しました。

同保護区では現在、雌トラの真の死因を調査中です。

同保護区の現場責任者であるウッタム・シャーマ氏によると、林業局の職員が子トラたちを引き取って世話をする予定でしたが、雌の死後のわずか2日後に、雄のトラが4頭の子トラの世話を始め、驚いたそうです。

「5月20日~6月20日にかけて、林業局が子トラの生活エリアに設置したカメラで雄のトラと子トラを観察したところ、雄トラが子トラの面倒をよく見ていた。子トラはまだ自分で餌を食べられないため、獲物を持ち帰っていたことがわかった」とシャーマ氏は説明しました。

報告によると、現在50kg前後の子トラは、1歳になるまでに80~90kgに成長する必要があり、この獲物を食べることが非常に重要だそうです。

専門家は、この雄トラの珍しい子育ての行動に驚きました。

「インド北部のラジャスタン州にあるランタンボール国立公園では、昔からこの現象が見られていたが、今回はその中でも最も稀だ」と、元森林保護官のSKマンドール氏は説明しました。 彼は、林業局は雄トラの行動を監視し続けるべきだと考えています。

5月22日、同保護区は、子トラの安全を確保するため、雄トラに無線式の首輪をつけ、24時間体制で監視しているとツイートしました。

森林野生生物の最高保護責任者であるアロク・クマール氏によると、4頭の子トラたちがサバイバル・スキルを身につけるためには今後数カ月が重要であるいいます。これまでのところ、彼らは健康で、野生に適応するために順調に前進していると語っていました。

クマール氏は「ストレスを感じている様子はなく、むしろとてもやんちゃで元気いっぱいだ。休んでいても、ぶらぶらしていても、この4頭の子トラはいつもそばにいる」と語りました。

(翻訳編集・里見)