米商務省が発表した5月の貿易赤字は638億4000万ドルとなり、前月の633億4000万ドル(改定値)から拡大した。しかし、エコノミストの赤字予想額(649億ドル)は下回った。
石油輸入価格が約16年ぶりの大幅な伸びを示したことから、石油輸入額は過去最高の279億ドルまで拡大。石油以外の品目の赤字額が05年8月以来最小となったにもかかわらず、全体の赤字額は依然過去最高水準圏にとどまった。
5月の原油輸入価格は平均で1バレル=61.74ドルと、4月から4.92ドル上昇、単月の上昇幅としては1990年8月以来最大。5月の石油輸出国機構(OPEC)加盟国からの輸入額は過去最高の136億ドルとなり、石油の貿易赤字を過去最高の254億ドルに押し上げた。
輸出額は2.4%増で過去最高の1187億ドルとなり、石油以外の品目の赤字縮小の一助となった。輸出額の伸びは資本財の増加が背景で、とりわけ民間航空機の伸びが目立った。消費財をはじめ、他の主要品目の輸出も過去最高の伸びとなった。
輸入額も過去最高の1825億ドルに増加した。
対中赤字は177億ドルに拡大。対メキシコ赤字も過去最高の55億ドルとなった。
中南米からの輸入は過去最高を記録。
年初から5カ月間の累積赤字総額は3179億ドルで、過去最高を記録した05年の赤字総額7167億ドルを超える勢いとなっている。
(ロイター7月12日=ワシントン)
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